2024年08月11日

愛する皆さま

主の御名を心よりほめたたえます。

 

先週のこの手紙に登場した幼稚園児のG君を覚えていますか。G君とお兄ちゃんのR君が土曜日に教会にやってきたました。2週連続です。今回は「宿題やっつけよう」という行事に足を運んでくれたのです。本来なら幼稚園児には夏休みの宿題はありませんので、宿題やっつけようの対象は小学生だけです。けれど年長さんのG君なら、あまり邪魔することなく私と遊べるかもしれないと思い、特別に受け入れることにしました。G君のお母さんいわく、G君はとても教会に来るのが楽しみなのだそうです。それにちょうど○UMON式学習プログラムをしているので、G君にはその課題をたくさん持たせるとのことでした。

 

いざ始まると、兄弟2人は別々に座ってそれぞれの宿題をやっつけはじめました。2人ともものすごい集中力とスピードで、まるで競争するかのような勢いです。G君の宿題の様子をチラッと見ると、なんと目を疑う光景が目の前に広がっていました。まだ幼稚園児なのに小学校3年生の算数の問題を解いているではありませんか。二桁と一桁の掛け算です。そんな難しい算数の問題をほぼ暗算のスピードでやっつけています。皆さんも覚えていらっしゃると思いますが、このG君は、日曜学校のサマーキャンプの時、夜中に行方不明になったあのG君です。その時はまだ幼い子供という感じでしたが、この日のG君はまるで別人のように感じられました。

 

真剣な眼差しで次から次へと難しい問題をやっつけていくこと約30分、その日に用意してきた問題の約半分を終わらせてしまいました。ものすごい集中力です。しかしさすがに集中力が切れてきました。残りの国語はお昼のあとにやっつけることにして、G君を誘って、お昼ご飯のための買い物に行くことにしました。カレーにのっけるコロッケを買いに出たのです。

 

手をつないで○林商店街に向かう途中、私はG君に聞いてみました。「G君は大きくなったら何になりたいの?」

もしかしたら科学者や医者、あるいは学者などと言うのではないかと、勝手に期待しながら質問しました。するとG君は一瞬も躊躇することなく、すぐに答えました。

「うん、僕は大きくなったら恐竜になりたい!」

その答えに私は一瞬、動揺しました。「きょっ、恐竜…にはなれないよ」と言ってあげたかったのですが、純粋な童心を壊してしまうことになりかねませんので、最大限、動揺がばれないように気をつけながら返事をしました。

「そうか。恐竜か。どんな恐竜?」

すると堂々とした答えが返ってきました。

「モササウルス!」

その理由を聞くと、「モササウルスは後期白亜紀に生息した恐竜の中で、一番強い頂点捕食者だからだよ。それに日本の近海に生息していた可能性があると言われてるからね」とのことです。後期白亜紀? 生息? 頂点捕食者? 恐竜に関しては博士並みの知識を持っている一方、恐竜になりたいという子供らしさのギャップがあまりにも可愛かったので、私は思わずフッと笑ってこう言いました。

「そうか。G君はモササウルスになりたいのか。応援するから、モササウルスになっても先生は食べないでね」

 

はっきり言っておく。心を入れ替えて子供のようにならなければ、決して天の国に入ることはできない。(マタイによる福音書 18:3)

 

在主

林 尚俊

 

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