2020年8月2日

 

愛する皆さま

 

主の御名を心よりほめたたえます。

 

私はNHKの「日本人のおなまえっ!」という番組が大好きです。日本人の名前の由来やその意味について学べるのでよく見ています。何年かの前の話ですが、本当に珍しい名前を耳にしました。「悪虫(あくむし)」という名前です。番組のスタッフが「悪虫」さんに「ご自身の名前についてどう思いますか」と聞きました。するとため息とともに「“虫”だけでも嫌なのに“悪”だべ」と答えました。本当に嫌だという気持ちが伝わってきました。「悪虫」さんの親戚の中には、名字を変えた人も多いそうです。

 

私もその気持ちが少し分かる気がしました。日本人の名前ではないので、ちょっとしたハプニングがあったりします。時には名前を変えようかと思ったこともあります。ある日、ファミレスに行った時のことです。混んでいて待たなければならず、カタカナで「イム」と書いて待っていました。すると少ししてお店の人が「ホトケさま」と呼ぶのです。一体誰のことかかと思いましたが、手書きの「イム」が「仏」に見えたようです。何度か「ホトケさま」と呼ばれ、私は「はい」と答えました。 

 

聖書には改名した人が多くいます。「アブラム」が「アブラハム」になり、「ヤコブ」が「イスラエル」になったのは有名な話ですね。そして新約の人物の中では「シモン」が「ケファ」になりました。また、「サウロ」が「パウロ」になりました。このように神様のご計画の中で名前が変えられた人々が多くいます。ですからカトリック教会では洗礼と同時に新しい名前を授けるのです。私たちプロテスタントの教会ではそこまではしません。なぜなら、どんな名前であっても洗礼によって新しく生まれ変わった時に、その大事な名前が神様の命の書に記されるからです。ですから牧師が「ホトケさま」と呼ばれるのはあまり嬉しい話ではありませんが、命の書に書き記された自分の名前が大好きです。

 

『勝利を得る者は、このように白い衣を着せられる。わたしは、彼の名を決して命の書から消すことはなく、彼の名を父の前と天使たちの前で公に言い表す。』(ヨハネの黙示録 3:5 )

 

在主

 

林 尚俊

 

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