日本基督教団 森小路教会
2020年10月25日
愛する皆さま
主の御名を心よりほめたたえます。
私たち夫婦が森小路教会に赴任し、大阪に来てから約半年が過ぎました。有名な大阪の夏の暑さも無事に乗り越えたので、少しずつ大阪での生活にも慣れてきたと思います。私は東西南北の位置関係が分かってきたので問題なく過ごしていますが、妻の方向音痴は深刻です。一応、車の免許も持っていて東京や関東圏にいた時には慣れている道で運転もしました。どちらかというと上手なほうです。しかし新しい地域に行くと、しばらくは方向が分からなくて本当に苦労します。例えば左折を二回すると自分が今どこに立っているかも分からず、毎日通る道も一本先で曲がると訳が分からなくなるくらいです。それでも千林商店街の地理は何とか分かってきたようです。
そんな妻がある日、突然こう言ってきました。「自転車が欲しいな！」その話を聞いた瞬間、私は緊張しました。自転車が必要だということは遠出をしたいということなので、ちょっと心配になり、聞こえなかったふりをして他の話題に変えました。すると次の日も自転車の話をしてきました。ここまで来たら本気だと思い、なぜ必要なのか聞きました。すると「周りの地理をあまりにも知らなくて、とんちんかんな方向を指さして千林駅があると言っちゃうくらいだから、ちょっと危機感を覚えたの。自転車で動けば地理が分かるでしょ」と言うのです。さすがにここまで言われたら買わざるを得ないと思い、一緒に牧師館の前の「ありんこ自転車屋さん」に行くと、ちょうど気に入った自転車があったので取り寄せてもらいました。その自転車が、ちょうどこの便りを書いている今、届いたようです。「もうどこへでも行けるよ」というLINEがたった今入りました。こうなったからには祈りつつ見守るしかないようです。
自転車が与えられたことで自由になり、どこへでも行けると喜んでいる彼女の姿は、私たちみんなが持っている姿でしょう。私たちは自由を求めている存在です。そんな私たちにイエス様は、私たちが真理を知るとまことの自由が与えられると語られました。真理とはイエス様ご自身のことです。つまりイエスと共にいると私たちはまことに自由になるということです。そしてイエス様と共にどこへでも行けるでしょう！
『イエスは、御自分を信じたユダヤ人たちに言われた。「わたしの言葉にとどまるならば、あなたたちは本当にわたしの弟子である。あなたたちは真理を知り、真理はあなたたちを自由にする。」』 （ヨハネによる福音書 8：31～32）
在主
林 尚俊