2020年12月06日

 

愛する皆さま

主の御名を心よりほめたたえます。

 

先日、運転免許証の更新のために初めて門真にある運転免許試験場に行きました。2人とも誕生月が同じ10月なので同じ日に予約を取りました。妻は30分の講習で終わりますが、私は「違反者」だったため、2時間の講習を受けないと新しい免許証をもらえません。そこで、それぞれ異なる教室に入り、終わったら駐車場の車の前で会う約束をしました。

 

1時間目の講習が終わり、妻はどこで暇をつぶしているのか気になりラインを送りましたが返事がありません。車の鍵を渡していたので中で寝ているのかもしれないと思っていました。すべての講習が終わりスマホを見ると妻から返事が届いています。「献血ルームにいるから終わってから来てね~」。私は瞬間、目を疑いました。建物の入り口近くに、確かに献血ルームがありました。でも、まさか……。なぜなら妻は方向音痴なだけではなく、とがっている物が苦手なのです。

自分の目で確認しないと信じられないため、とりあえず駐車場に向かうと後ろから私を呼ぶ声がします。振り向くと、とても不自然に歩いてくる妻の姿が見えました。近づくと顔は真っ青で、ひじをまっすぐに伸ばし、まるでゾンビのようです。どうしたのかと聞くと、ちょっとしたどや顔で「うん。献血したの」という答えが返ってきました。大丈夫だったのかと聞くと、相変わらずどや顔でこう答えました。「私があまりにも痛そうな顔をしているから、看護師さんが『無理しないでこの辺でやめましょうか』と聞いてくれたけど最後まで400cc献血したよ」。見なくてもどんな状況なのか分かるような気がしました。おそらく緊張のあまり眉間にしわを寄せていたのでしょう。あとから聞くと、「献血後、めまいや吐き気がある場合もある」という案内を読んだあとにクラクラしてきたとのことでした。しかしコロナ禍で医療現場に血液が足りないというニュースを見て気になっていたのでしょう。怖かっただろうに偉かったと思いました。

 

私たち人間はたった400ccの献血でもこの世の終わりのように思いますが、私たちの父なる神様は、ご自分の独り子の血を一滴も残さず私たちのために流してくださいました。これがクリスマスの本当の意味です。アドヴェントクランツに真っ赤なキャンドルを飾る理由もここにあるのでしょう。来年は私も久しぶりに献血しようと思っています。メリークリスマス!

 

『神は、御心のままに、満ちあふれるものを余すところなく御子の内に宿らせ、その十字架の血によって平和を打ち立て、地にあるものであれ、天にあるものであれ、万物をただ御子によって、御自分と和解させられました。』

(コロサイの信徒への手紙 1:19~20 )

 

在主

林 尚俊

 

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