2021年01月03日

愛する皆さま

主の御名を心よりほめたたえます。

 

新年おめでとうございます。主と共に歩む2021年になりますようお祈りいたします。

 

突然ですが、ロバに乗ったことありますか。私は一度だけ乗ったことがあります。仕事のために中国を訪れた時に移動手段として乗ったのです。ロバの面白さは、馬と違って初心者にも乗れることです。集団で移動する時には、不思議なことに私が操ったり、前から引っ張って案内する人がいなくても、ちゃんと進んでいきます。もちろん先頭のロバは人が引っ張りますが、後ろのロバは前のロバに続いて何もしなくても自然に進むのです。片側が絶壁の山道でも、ロバは黙々と前のロバについて歩いていきます。さすがにその時はちょっと怖かったですが、背も高くなく、ゆっくり歩くので慣れるととても乗りやすいです。

こうやって歩けるように、母ロバについて歩く練習を子ロバの時からさせるそうです。私たちを乗せたロバの集団にも、荷物も人も載せていないかわいい子ロバが母ロバの後ろにくっついて歩いていました。その子ロバは、ふだんはおとなしかったのですが、時々、悲しそうに鳴きます。なぜ鳴くのか現地のガイドに聞くと、何か欲しい時に母親を呼ぶためだと教えてくれました。例えばおなかがすいた時や母親について行けない時に「ヒーホー!ヒーホー!」と大声で鳴くのです。すると母ロバも子ロバと同じように「ヒーホー!ヒーホー!」と返事をして落ち着かせるそうです。

 

旧約聖書で「信仰」と訳されるヘブライ語は「エムナー」という言葉です。これは「子ロバが母ロバを呼ぶ時の鳴き声」という意味でもあります。特に「エムナー」は「純粋な信仰」を表す時に使われる言葉です。つらい時や寂しい時に母親の助けを求めて叫ぶ子ロバのような信仰です。ダビデは神様がご自分の心に適う者だと褒め、ご自分の民のための王として立てられるほどの人物でした。しかしそんな彼は、義父から殺されそうになったり、息子に殺されそうになって逃げまわったりと、ジェットコースターのような人生を過ごしました。しかしつらい時にダビデには、その苦しみから逃れる秘策がありました。それは神様に向かって「ヒーホー!ヒーホー!」と叫ぶことでした。ダビデは主に叫び助けを求める「エムナー」の信仰を持っていたのです。皆さん、私たちもつらい時に神様に「ヒーホー!ヒーホー!」と叫ぶ2021年になりますように。

 

『死の縄がからみつき奈落の激流がわたしをおののかせ 陰府の縄がめぐり死の網が仕掛けられている。苦難の中から主を呼び求めわたしの神に向かって叫ぶとその声は神殿に響き叫びは御前に至り、御耳に届く。』(詩編18:5~7、ダビデの詩)

 

在主

林 尚俊

 

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