2021年01月10日

愛する皆さま

主の御名を心よりほめたたえます。

 

久しぶりに正月にゆっくりして、家で妻とおいしいおせち料理を食べながら楽しく過ごすことができました。年末、大みそかにレンタル配信で見た映画がとても面白かったので少しご紹介します。タイトルは「主人公は僕だった」、2006年のアメリカのヒューマンドラマ映画です。主人公は国税庁で働いている中年の独身男性ハロルド・クリック。規則正しく単調な生活を送る、さえない男です。ある朝ハロルドは、突然、自分の行動を細かく描写する女性の声を聞きます。まるでナレーションです。そしてその声から、自分は近いうちに死ぬ運命であることをほのめかされます。のちにその声は、いわゆる「三人称全知視点」で語る女性作家カレンの声であることが分かりました。ハロルドはサッドエンディング小説の主人公で、彼の人生はその声の主である作家によって導かれていたのです。

 

ハロルドは最初、自分の運命を受け入れられずいろいろな対策を模索し、運命の女性に出会い恋に落ちます。そして結果的に書かれた筋書きに従い自分の死を受け入れ、自分の命を犠牲にして人を助けることにします。劇的でこれ以上感動的な筋書きはないように思えましたが、作家カレンは「人のために自分の命を捧げる人を死なせるわけにはいかない」と思い、ハロルドを生き返らせるという別のエンディングを用意しました。サッドエンディングからハッピーエンディングに変わったのです。

 

この映画の監督や作家がクリスチャンかどうかわかりませんが、私はこの映画を見ながら神様とイエス様のことを考えました。「三人称全知視点」は、私たちを造られた「全知全能な神様の視点」だと思ったのです。また主人公ハロルドを通して、神様の救いのご計画に従い私たちを生かすためにご自分の命を与えてくださったイエス様の姿を見ました。そして作家がそうしたように、父なる神様はそんなイエス様を「人のために自分の命を捧げるものを死なせる」ことはしませんでした。イエス様をよみがえらせてくださったのです。この映画を通して私たちに対する神様の愛を再確認して、久しぶりに映画を見ながら泣きました。皆さんも、もしチャンスがあれば家族やお友達と一緒にご覧になってください。福音を知らない人にわかりやすく福音を説明するのに、ちょうどいい映画だと思います。

 

『わたしは命を、再び受けるために、捨てる。それゆえ、父はわたしを愛してくださる。』

(ヨハネによる福音書10:17)

 

在主

林 尚俊

 

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