2021年1月17日

 

愛する皆さま。

主の御名を心よりほめたたえます。

 

緊急事態宣言が発令され、礼拝は本日から2月7日までオンライン礼拝、家庭礼拝としてささげられることとなりました。

 

今日は少し昔を振り返り、カナダに留学した時の話をしたいと思います。当時45歳だった私は、アメリカの神学校で学位を習得するために留学を決意しました。とても勇気のいる難しい決断で、そのためには語学の点数が必要でした。そこで比較的に安く安全で生活しやすいカナダに語学留学をすることにしたのです。妻が仕事で長期滞在したことのあるカナダの西海岸バンクーバー・アイランドのビクトリアという静かで美しい都市に行くことになりました。経済的にも不安があったし、年を取ってからの新しい学びだったので恐れもありましたが、神様がすべて整えてくださり無事にカナダで留学生活を送ることができました。

 

当時、私たちが借りた家は学校まで片道約3キロ離れていました。ゆっくり歩いて約40分、往復約1時間半、歩くのにはちょうどいい距離です。多くの動物が出没しました。カモメやタヌキは毎日のように、時には鹿やカワウソも見えました。運が良ければアザラシも見えました。ブリティッシュコロンビア州の州都なので、それなりに規模のある都市です。それでも自然が豊かで、毎日の通学路はとても楽しいものでした。

 

ある日、隣の都市バンクーバーに住んでいた知り合いの家族が、ビクトリアに遊びに来ました。そこでオークベイというヨットハーバーに観光に行きました。そこにもアザラシがいるので見に行ったのです。思ったよりたくさんの野生のアザラシがいましたが、観光客が与えるエサに慣れ野性を失っていました。群れの中で人に近寄れるのは体の大きいアザラシだけです。小柄なアザラシは近寄れません。しかし彼らは自分なりにエサのもらい方を習得したようで、遠い所から観光客の目を引く作戦を考え出したようです。なんと前足で自分のおなかを思い切りたたいて、パンパンと音を出すのです。そっくりかえって腹をたたいて大笑いしているような感じです。私は思わず遠く離れている小さなアザラシの方にエサを投げました。本当にかわいかったのです。

 

そしてふと神様に祈り求める自分の態度について考えました。「一体、私は本当に切実に神様に祈り求めているだろうか」。この小さなアザラシが自分のおなかをたたきながら必死に求めているように、私も神様に必死で祈り求めるなら、神様は私をかわいいと思われ、満たしてくださることだろうと確信しました。互いに会うことのできないこの期間、切に祈り、神様と密な関係を築きたいと思います。

 

『わたしが、あなたの神、主。あなたをエジプトの地から導き上った神。口を広く開けよ、わたしはそれを満たそう(詩編8111 

 

在主

林 尚俊

 

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