2021年03月14日

愛する皆さま

主の御名を心よりほめたたえます。

 

先日、私たち夫婦が森小路教会に赴任してからほぼ一年近く、私たち夫婦をずっと手伝ってくれた親しい友を遠くに送りました。体もデカく、声も相当大きかった友です。私の言うことも文句を言って聞いてくれなかったこともあります。また寒さや暑さに弱く、何かお願いをする時には、気分はもちろん環境も整えてあげないといけませんでした。このようなデリケートで手のかかる存在でしたが、私たち夫婦が森小路教会に赴任した初日から、挨拶を交わす暇もなく、すぐに私たちを手伝ってくれました。あとでわかりましたが、そこまでデリケートで手がかかった理由は歳のせいだったのです。

 

そろそろ限界を感じ、いよいよ現役から引退する時期になったので、別れを告げざるを得なくなりました。ところが不思議に別れを告げた翌日からうそのように調子が良くなり、私が何を頼んでも文句も言わず働いてくれました。前より声も静かになったような気もします。まるで「私を見捨てないで」と言わんばかりに一所懸命仕事をしてくれました。しかし別れは決まっていたため、私は涙ながらにその友と別れました。冷たい人間だと思われても仕方ありません。今度は新しくて若い友が私を手伝うことになっていたのです。

 

新しい友は体もスリムで物静かです。しかも言うことに素早くこたえてくれます。スマホでのやり取りもできるようになり、とてもスマートです。才能も豊かで、私のわがままをほぼ全部聞いてくれるようになりました。しかし才能が豊かな分、その友とうまく付き合うためにはかなりの時間がかかりそうです。今度は私の方がついていけなくなったようです。

 

皆さんもお気づきだと思いますが、その友とは教会の「印刷機」のことです。新しい友の正式な名前は「複合機」です。「プリンター」と「印刷機」、「コピー機」が合体したものです。綺麗なカラー印刷もできます。これから伝道のために幅広く用いられると期待しています。

ところが今度は、それを使う私が問題です。使いこなすことができるかと心配がよぎり、時々、古いアナログな友が恋しくなると思いますが頑張りたいと思います。今度の総会の資料は新しい複合機で準備します。今回のことで、いくら新しい物でも私たちの弱さの故100%満足することはできないと学びました。いつまでも変わらず私たちを満たしてくれる神様以外には、この世に新しいものは何ひとつありません。

 

『何もかも、もの憂い。語り尽くすこともできず目は見飽きることなく耳は聞いても満たされない。かつてあったことは、これからもありかつて起こったことは、これからも起こる。太陽の下、新しいものは何ひとつない。見よ、これこそ新しい、と言ってみてもそれもまた、永遠の昔からありこの時代の前にもあった。』(コヘレトの言葉 1:8~10)

 

在主

林 尚俊

 

牧師室より トップ