2021年04月25日

愛する皆さま

主の御名を心よりほめたたえます。

 

先日私たち共同体は、長年ともに信仰生活を送っていた信仰の大先輩であるY姉とお別れをしました。個人的にはY姉との交わりの時間は短かったのですが、寂しさで心に大きな穴があいたような気がします。しかし神様は私たち共同体にY姉との交わりを通してかけがえのない素晴らしい思い出を与えてくださいました。

 

葬儀の時にも分かち合いましたが、Y姉は80歳になってから憧れのピアノを習い、ずっと願っていたようにピアノを弾きながら讃美を歌うことができました。また50歳を過ぎてから栄養士の資格を取り病院で栄養士として勤めていたそうです。そして葬儀で私は、Y姉の人生は波乱万丈だったと言いましたが、とても穏やかで平安な姿で御許に召されました。Y姉の人生の歩みにおける原動力はどこから来たのかなと思いました。もちろんそれは神様を信じる信仰から来たものでしょう。

 

どのような形で神様とつながっていたのか、そう考えた時、ふとある出来事を思い出しました。実は先日、牧師館の家庭菜園で育てているミニトマトを大きな試練が襲いました。やっとかわいいお花を咲かせた苗が、春の嵐で折れそうになったのです。私はその光景を目撃しませんでしたが、妻が発見して大騒ぎでした。そこで急遽トマトの枝を丸い支柱に固定してあげて、グルグルと支柱をはわせる行燈(あんどん)仕立てにすることにしたのです。それからトマトの苗は強い風にも耐えることができるようになりました。その後もしっかり成長を続け、今は4つの花房ができています。

 

このミニトマトの成長を見て気づきました。それは私たちが支柱にしっかりとくっついてさえいれば、雨風から守られ実を結ぶことができるということです。神様は私たちにとって、この世のどんなものより私たちの助けとなる確実な支柱です。なぜならこの世のすべての波風をご自分の体を張って体験し、それに打ち勝った方なので勝ち方を知っておられるからです。Y姉もこのように主により頼みながら、98年間の人生の波風を歩んでこられたのでしょう。

 

昨日のニュースによると大阪府ではまん延防止等重点措置よりさらに厳しい措置である緊急事態宣言が発出されることになりました。皆さん。今、私たち共同体は嵐の中の弱い苗のような存在です。このような時こそ支柱である神様にしっかり行燈仕立てのようにつながっていることが何より大切でしょう。

 

『わたしはぶどうの木、あなたがたはその枝である。人がわたしにつながっており、わたしもその人につながっていれば、その人は豊かに実を結ぶ。わたしを離れては、あなたがたは何もできないからである。』(ヨハネによる福音書 15:5)

 

在主

林 尚俊

 

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