2021年07月11日

愛する皆さま

主の御名を心よりほめたたえます。

 

久しぶり(?)に、案外と皆さんもお好きかもしれない軍隊の話をしたいと思います。今日はパラシュート訓練についての話です。私が属していた部隊はパラシュート、つまり落下傘の訓練をする部隊で、いわゆる特殊部隊でした。パラシュート訓練は3週間行われる訓練で、私が経験した訓練の中で二番目に大変でした。しかし最初の段階は意外と簡単で、約20センチくらいの高さからジャンプして地面に着地するという練習です。普通に両足を使ってピョンと着地するのではなく、言葉で説明するのはちょっと難しいですが、体の側面をダンゴ虫のように丸めて着地時の衝撃を全身に分散させながら地面に倒れる練習です。一言で言いますと上手に倒れる練習ですね。この練習をなんと1週間も繰り返します。高さ20センチから始まった練習は、最後には高さ2メートルになります。最初から2メートルの高さから飛び降りるのは誰にとっても怖いことでしょうが、20センチから始めて少しずつ高さを上げると、不思議と高さに慣れて、最後には2メートルの高さにも恐怖を抱かなかった覚えがあります。訓練が始まる前はカッコよく空を飛べる高度なスキルが学べることを期待していました。ところが、とても地味な着地、つまり倒れる訓練だけに全体の3分の1の時間を費やすなんてと正直失望しました。全身が泥まみれになるまで、ただひたすら倒れるだけなのです。

 

しかし実際に飛行機から飛び降りて着地したあと、初めてこの訓練の大切さについて悟りました。初めて飛行機から落下する時は、あまりにも緊張しすぎて文字通り頭の中が真っ白になってしまいます。しかし訓練のおかげで不思議と体が覚えていて、ケガすることなく無事に着地ができたのです。自分でも知らないうちに倒れ上手になっていました。もしかしたら今でも体は覚えているかもしれません。

 

私たちの信仰の成長もこれと同じではないでしょうか。信仰があるからといって全く倒れない人は一人もいないと思います。むしろ長く信仰生活をすればするほど、倒れた経験がたくさんあるのではないでしょうか。よく考えてみると神様は私たちを倒れないように守るのではなく、倒れてもダメージを受けたりケガをしたりしないよう、ふだんから信仰の訓練を通して倒れ上手にさせてくださるお方です。そしてそんな神様により頼んで、思いっきりジャンプするのが信仰生活なのかもしれません。

 

また、永遠の幸福を授け、主の前に立つことの喜びが、いつまでも薄れないようにしてくださいました。王は主により頼んでいるので、つまずいたり倒れたりすることは絶対にありません。あらゆる神々にまさる神の変わらない愛に、頼りきっているからです。

(リビングバイブル、詩編21:6~7)

 

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