2021年07月25日

愛する皆さま

主の御名を心よりほめたたえます。

 

アフリカのあるジャングルの奥深くに「ユツプラカチア」という花があるそうです。現地の言葉で「人の魂を持っている花」という意味だそうです。なぜこのような不思議な名前になったかというと、この花はとても敏感な花で、人や動物に触られると次の日には枯れてしまうからだそうです。つまり人の心のように傷つきやすいセンシティブな花なのです。ですのでその花を見た人はいても、その花を手に取って持って帰った人はいないそうです。なぜならその花を摘んでも、家に着く前に枯れてしまうからです。したがってこの花は幻の花とも呼ばれます。しかしある日、人に一度触られると枯れてしまうこの花が、毎日、同じ人に触れられるとかえって元気になることが判明したそうです。この花は敏感症なのではなく、人の心のように愛情欠乏症だったのです。

 

そんな花があるのか、と思ったかもしれません。実はこれは実話ではなく、ある詩人が自分の詩のために作った造り話だそうです。しかしユツプラカチアのモチーフとなった植物は存在します。しかもその植物が、なんと今、牧師館にもあります。それはオジギソウです。くだんの詩人はオジギソウを見てユツプラカチアという伝説の花の物語を創作したそうです。今、私はオジギソウを育てていますが、オジギソウは実に不思議な植物です。手で触るとすぐさま反応して葉っぱが縮んでおじぎをして、まるで枯れているかのように見えます。朝晩、水をやる時に、葉っぱをちょっと触って、しばらく遊んでいます。きっとその詩人は、このようなオジギソウの敏感な姿を見て、傷つきやすい人の心を思い出したのでしょう。

 

牧師館のオジギソウはとても元気です。ちょうど今、綿棒のように小さくてかわいいピンクの花が咲いているので、毎日楽しんでいます。しかし朝晩、欠かさず水をやらないとすぐにしおれてしまいます。そして不思議なことにピンクの花は、朝はきれいに咲いても、夜には色あせるのです。ユツプラカチアのように愛情欠乏症とまでは言わないものの手はかかります。しかし水さえちゃんとあげれば、この花は暑さにも強いし風などにも強いので育てやすく、つかの間ですがピンクの花で楽しませてくれます。毎日、愛情をたっぷり注ぐと、とても元気なのです。

 

オジギソウを見ながら、神様も毎日、私たち一人一人に、ご自分の愛情をたっぷり注いでくださるのを実感しています。なぜなら私たちの心がオジギソウのように傷つきやすいことを、誰よりもご存じだからです。

 

主よ。あなたは私の心の奥底まで探り、どんなささいなことも見のがされません。私の立つのも座るのも、すべてご存じです。遠くからでも、私の心をすべて読み取られます。あなたは、私の進む道もご存じで、どこで休息をとるべきかも教えてくださいます。どんなときも、私の居場所もご存じです。そして、口を開く前から、私が何を言いたいかも見抜いておられます。

(リビングバイブル詩篇 139:1~4)

 

在主 林 尚俊

 

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