2021年08月29日

愛する皆さま

主の御名を心よりほめたたえます。

 

皆さん、「ルービックキューブ」をご存じでしょうか。私は子供の時、一時期、猛烈にはまっていました。ルービックキューブは立方体のパズルで、各面が異なる6色で構成されており、各面は3×3の9つの小さなキューブ(立方体)に分割されています。全部で54個の小さなキューブの色を合わせるのですが、その時のスピードを競う遊びです。ルービックキューブの愛好家は「キュービスト」、あるいは「キューバー」と呼ばれ、毎年世界大会もあるほどマニアが多い、案外ちゃんとした競技です。ちなみに世界記録は中国人が保有していますが、なんと3秒47です。

 

さて、なぜ私がこの話をしたかと言いますと、最近またルービックキューブで遊ぶようになったからです。ある日、テレビでルービックキューブの映像を目にした私は、突然もう一度やってみたくなりました。そこで妻に「ルービックキューブを買って」とお願いをすると、妻は「私も小学生のころやったけど、今度は何をするつもり?」と疑わしい気持ちを隠さずに表しました。私は「ルービックキューブって集中力を高めるのに役立つそうだよ。説教準備の時に集中できるでしょ」とそれっぽい言い訳でごまかしましたが、実はただ遊びたかっただけです。

 

高い物ではなかったため購入の許可をもらい、数日後、念願のルービックキューブが家に届きました。ところがほぼ40年近く触っていなかったので、どこから始めればいいのか全く分かりません。そこでまずは手で触って馴染むことから始めました。しばらく触ってみると不思議に忘れかけていた子供のころの記憶が少しずつよみがえってきました。体が覚えていたみたいです。それからいろいろと苦労を重ね、ほぼ1週間後に、やっとパズルが完成しました。それから一気に火がついた私は、成功率向上と記録短縮のため隙間時間を利用して猛練習しました。ある程度自信がついた私は、妻の前でスピードを披露することにしました。よーい、ドン! 電光石火の早業で今まで培ってきた実力を見せたかったのに、なかなかうまくいきません。しかも緊張のあまり手が言うことを聞かないのです。結果、5分以上かかってしまいました。目標だった3分を大きく下回ったのです。失望した私は失敗の原因を分析し、一つの基本的なミスにたどり着きました。基準となるキューブの位置を間違えていたのです。早く!早く!という気持ちがあったため、肝心なところで手を抜いてしまったのです。それからは最初のキューブの位置をちゃんと正すようになり、どんどんスピードが上がってきて今は2分30秒くらいで完成させられます。

 

基準は本当に大切だと実感させられました。使徒パウロはエフェソの信徒への手紙を通して私たちの信仰の「かなめ石」、つまり「基準」はキリスト・イエス御自身あると教えました。そうです。しっかりとした「かなめの石」が私たちの基準になれば、私たちの信仰という建物全体が組み合わされて成長するということです。私もはっきりした基準を定めて次なる目標である1分台に向けて成長していきたいと思います。いつか皆さんの前でも披露できる日を期待しつつ。

 

使徒や預言者という土台の上に建てられています。そのかなめ石はキリスト・イエス御自身であり、キリストにおいて、この建物全体は組み合わされて成長し、主における聖なる神殿となります。

(エフェソの信徒への手紙 2:20~21) 

 

在主 林 尚俊

 

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