2021年09月05日

愛する皆さま

主の御名を心よりほめたたえます。

 

9月に入りました。いかがお過ごしでしょうか。本来ならこの聖日に教会の礼拝堂で皆さんと共に礼拝を捧げられるのを楽しみにしておりましたが、本当に悲しいです。離れていても一人一人のお顔を覚えながら祈っております。皆さんも私たちのために祈って下さり感謝しております。

 

さて、皆さんもご存じのように私は月曜日にはゆっくり過ごしています。そんなある月曜日の朝、牧師館の立体駐車場から「パパ! 頑張れ! パパ! 頑張れ!」という女の子の大きな声が聞こえてきました。とても切実でかわいい声だったので気になりました。そういえば以前に妻が、たまに駐車場から女の子の「パパ! 頑張れ!」という掛け声が聞こえてきて、一体、パパは何を頑張っているのか、その声が気になってしょうがないという話を聞いたことを思い出しました。瞬間、私は好奇心旺盛な少年のようになり、玄関を飛び出しました。どんなことが起こっているのだろうと固唾をのみながらのぞき込むと驚くべき光景が見えました。立体駐車場の前に一人の男性が立ち、両手を機械に向かって伸ばして見えないロープで車と機械を操っているのです。そして男性の背後にはリュクを背負った3歳くらいの可愛い女の子がいて、その女の子が男性に向かって「パパ! 頑張れ!」と連発していました。

 

一瞬、状況が把握できなかった私は、その場で固まってしまいました。その時、機械を操って(?)いたパパの隣にいるママらしい女性と目が合いました。彼女は「すみません。娘のためにパパ、頑張ってますので、どうか見なかったことにしてください」と言わんばかりに、困った表情で私に何度もお辞儀をしました。そこで私はやっと状況が把握できたのです。どうやらパパは娘に自分が機械を動かしているかのように見せかけていたようです。女の子はそんなパパをまるでスーパーヒーローのように思い、一生懸命、応援していたのです。一度ふざけてやったてみたら娘が思わぬ反応をしてくれたので、パパは嬉しくなって娘の前で立体駐車場から車を出すたびに、こうやって声援をもらったのかもしれません。朝の通勤時間は、多くの人が駐車場の前を通ります。私も「パパ、すごい! パパ、頑張れ!」と応援したくなりました。愛する娘のためならパパは恥ずかしくなんてなかったでしょう。

 

その日の朝、私は、父なる神の愛をもう一度思い起こしました。神様は私たちのためにご自分のすべてをお与えになるほど私たちを愛してくださっているのです。

 

御父がどれほどわたしたちを愛してくださるか、考えなさい。それは、わたしたちが神の子と呼ばれるほどで、事実また、そのとおりです。世がわたしたちを知らないのは、御父を知らなかったからです。 (ヨハネの手紙一 3:1) 

 

在主 林 尚俊 

 

牧師室より トップ