2021年10月24日

愛する皆さま

主の御名を心よりほめたたえます。

 

いよいよこの聖日の礼拝後に、正式に就任式をすることになりました。これで私は名実ともに森小路教会の牧師となります。何よりも私たち夫婦を不思議な形で森小路教会に導いてくださった神様に感謝します。そして一年半以上かけて就任式が何度も延期されたにもかかわらず、待ってくださった皆さんにも心から感謝します。

 

私が牧師按手を受けた時に、按手を授けてくださった牧師先生がみ言葉をくださいました。ヨハネによる福音書21章16節です。「二度目にイエスは言われた。「ヨハネの子シモン、わたしを愛しているか。」ペトロが、「はい、主よ、わたしがあなたを愛していることは、あなたがご存じです」と言うと、イエスは、「わたしの羊の世話をしなさい」と言われた」。そしてアドバイスをくださいました。「あなたは神様から任された羊たちの世話をする人になったので、忠実に守りなさい」と。その後、その先生のアドバイスを思い出すたびに「羊の世話をする」とは何だろうと自問してきました。まだ伝道師や副牧師だった時には、とにかく一生懸命やればいいと思い、任せられた働きを最善を尽くしてやってきました。

 

森小路教会に着任してからも、「羊の世話をする」ということについて考える機会が多くありました。最初は今までと同じように任せられた働きを責任を持って全うすればいいと思いましたが、皆さんもご存じのように、コロナ禍での教会での働きには限界があり、私にできることはほぼ何もありませんでした。来たばかりで顔も知らない羊のために何ができるのだろう。もちろん一人一人、お名前を見ながら祈ることはできましたが、もどかしい気持ちを収めることができませんでした。

 

そんなある日、朝のみ言葉の黙想の時間に、箴言のみ言葉が私の魂の深いところに入ってきました。「あなたの羊の様子をよく知っておけ。群れに心を向けよ」。普通に読めば、ある意味、当たり前の内容ですが、その時私はこのみ言葉によって目が開かれました。「羊の世話をする」というのは、私が何かの働きをするのではなく、「羊の様子をよく知っておく」こと、そして「群れに心を向ける」ことであると悟ったのです。「そうだ! 少なくとも今、皆さんの声は聞ける!」と思い、皆さんに電話をかけ始めました。「顔と名前は一致しないけれど、少なくとも声と名前は一致するだろう。いつか礼拝が再開したら、皆さんの声を聞けば誰かわかるだろう」と思ったのです。

 

それから少しずつですが、妻は手紙で私は電話で、皆さん一人一人のことを知ることができました。働きに集中するより、一人一人に心を向けることができるようになったのです。もちろんまだまだ皆さん一人一人の深いところまで知ることはできていませんが、これからも皆さんのことをよく知ることができるように祈っていきたいと思っております。ぜひ皆さんのことを教えてください。これからもよろしくお願いいたします。

 

あなたの羊の様子をよく知っておけ。群れに心を向けよ。

(箴言27:23 ) 

 

在主 林 尚俊 

 

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