2021年11月14日

愛する皆さま

主の御名を心よりほめたたえます。

 

この手紙を書いているこの時間、外は冷たい雨が降っています。久々の雨ですが、おそらくこの雨は季節をより一層晩秋へと導くでしょう。冷たい雨が降ると、私はカナダの冬を思い出します。私たちがいたカナダの西海岸は11月から冬にかけて約6カ月間、ほぼ毎日、霧雨より少し大粒の雨が降ります。ちょうど今日の気温と雨の降り方がその時と似ているので思い出しました。

 

そんなカナダでの留学を終え日本への帰国の時期が近づいてきた時、私たちは費用の節約のために安いチケットを求めていろいろと探しました。すると時間はかかるけれど台湾経由の飛行機が最安値としてヒットしました。よく見ると経由を含めて30時間かかる便で経由地の台湾で約6時間も乗り継ぎを待つ便です。しかし安いのでそのチケットを買うことにして、せっかく台湾まで行くのだからと台北市内観光を計画しました。私は自称(?)「イム動線」というほど、事前に効率よく動線を組むのが得意です。6時間しかない滞在時間を一秒も無駄にしたくないと思い、いつもお世話になっているグーグルマップさんの力を借りて完璧な移動計画を立てました。台北市内をゆっくり観光するのは無理なので、大好きな牛肉麺(ニューローメン)を食べるという目標に絞りました。

 

台北の空港に着いたあと、空港で大きな手荷物をロッカーにあずけ、事前に調べた店のある市場の最寄り駅まで電車で移動し、バスか徒歩でお店まで行く計画です。すべて計画通り順調でした。しかし一つだけ想定外のことが起こりました。駅の外に出ると台北地域に大雨が降っていたのです。そこで私たちはタクシーを拾うことにしました。タクシーの中で私たちはふと不安になりました。目的地まで行くのは問題ないけれど空港に帰る時は……。言葉も通じないしゴチャゴチャした市場のど真ん中でタクシーをつかまえるのは無理でしょう。タクシーの運転手さんは、たまたまある程度、日本語と英語が話せる方だったので、どうすればいいか相談しました。すると運転手さんが驚きの返事をしてくれたのです。「時間を決めてくれれば、降ろした場所に拾いに来てあげる」。びっくりした私たちは、もう一度確認して、ホッとして運転手さんにお願いしました。

 

ようやくタクシーは目的地に到着しました。帰りの足の心配もなくなった私たちは、さっそくお店に入り、念願の牛肉麺と美味しいそうな小皿料理をいくつか頼んで、ゆっくり本場の味を楽しむことができました。食べたあと、ちょっと時間も余ったので近くのコンビニに寄って台湾のマンゴジュースを飲みながら雨の市場をぶらぶらすることもできました。約束の時間にタクシーを降りた場所に戻ると、あの運転手さんがちゃんと私たちを待っていてくれました。何という親切な人だろう! いろいろありましたが、6時間の台湾旅行は無事に終わりました。私は成田に向かう飛行機の中で箴言16:9のみ言葉を思い出しながら、いくら私たちが完璧に計画を立てても神様の許しと導きが無ければ何も達成することはできないことを改めて悟りました。「シェシェ、シャンディー!(神様、感謝します!)」

 

人間の心は自分の道を計画する。主が一歩一歩を備えてくださる。

(箴言16:9)

 

在主 林 尚俊

 

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