2021年11月21日

愛する皆さま

主の御名を心よりほめたたえます。

 

この一年半の間、毎日ニュースの中で私たちが一番耳にし、また注目してきたニュースは、やはりコロナ関連のニュースではないでしょうか。私も夜9時から寝る前までは、ほぼ3時間、ニュースだけを見ていますが、最近のニュースの中で一つ、久しぶりにとても嬉しいコロナ関連のニュースがありました。それはアメリカの製薬会社であるメルク社が開発したモルヌピラビルという経口新型コロナ治療薬に関するニュースでした。コロナ治療のための飲み薬が開発され、イギリス政府の承認を得て生産が始まったそうです。しかも日本に160万回分を供給することで合意をしたそうです。そして早ければ年内に20万回分が供給される予定だそうです。専門家によると、今後のコロナウイルスとの戦いにおいて、とても有効な手段、いわゆるゲームチェンジャーになるとのことです。しかし、この薬には致命的な弱点がありました。それは値段です。一人のコロナ患者を治療するためになんと8万円もかかるというのです。もちろん日本などの先進国ではコロナワクチンと同様、政府がその費用を支払うことになると思いますが、問題は貧困国家です。今もコロナワクチンさえ購入することができない国が多くあるそうです。

そんな中、またこの薬に関する新しいニュースがありました。なんとメルク社は105か国の貧困国家では、新薬に関するすべての権利を放棄したそうです。つまり105か国は、実費だけでこの薬を購入することができるようになったのです。日本円で約2000円だそうです。まだワクチンの接種率が低い国では、本当に大きな救いになるでしょう。メルク社の人類のための英断は実に輝いて見えます。

過去にも同じようなケースがありました。天然痘のワクチンを開発してヨーロッパを救ったエドワード・ジェンナーも、なるべく多くの人々に接種してもらうために自分が開発したワクチンの特許権を放棄したそうです。クリスチャンだった彼は天然痘のワクチンを開発した当時、ワクチンに対する人々の偏見に、とても苦労したそうです。最初は天然痘に似ている牛痘からワクチンを開発したため、このワクチンを打つと牛になると言われていました。彼は自分が開発したワクチンを「神が乗った牛の聖なる液」と説明しながら人々を説得したそうです。彼は自分を認めてくれなかった人々のために、大金持ちになる道さえも放棄したのです。しかし彼はのちに、それより大きなものを手にしました。「近代免疫学の父」と呼ばれるようになったのです。今もコロナワクチンを含めワクチン開発の現場では、彼が開発した当時の方法がそのまま用いられているそうです。

 

目覚めた人々は大空の光のように輝き多くの者の救いとなった人々はとこしえに星と輝く。

(ダニエル12:3) 

 

在主 林 尚俊

 

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