2021年12月12日

愛する皆さま

主の御名を心よりほめたたえます。

 

1969年7月20日、全世界はある一人の男の人の一歩を、固唾を呑みながら見守っていました。その人ははしごを下り、左足を地面に着けながら次のように言いました。「これは一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な飛躍である」と。アポロ11号が初めて月面に着いた歴史的な瞬間の話です。人類最初月面に足を踏み下ろした宇宙飛行士ニール・アームストロングが残した名言です。残念ながら私はまだ生まれていませんでしたが、子供の時から何度も何度もこの場面を見て、夢を膨らませた記憶があります。おそらく皆さんの中にはこの場面をライブでご覧になった方もいらっしゃるでしょう。天体マニアとしてこのような歴史的な場面をご覧になった皆さんのことが羨ましい限りです。

 

アポロ11号の成功は全人類に希望を与えました。しかし皆さんもご存じの通り、宇宙船の名前がアポロ「11号」だったのは、これが11番目の宇宙船だったからです。この月面探索のプロジェクトの名前は「アポロ計画」で、アメリカ航空宇宙局(NASA)で造られた宇宙船をアポロ号と名付けたのです。そして月面に着陸成功したのは11番目の宇宙船でした。普通でしたら、その前の10隻の宇宙船が失敗したという話になるでしょう。しかしすべてが失敗したわけではありませんでした。大きな貢献もたくさんありました。その中でも一番話題になったのがアポロ8号です。アポロ8号は1968年12月21日に発射され、地球周回軌道を離れて月を周回し、再び安全に地球に戻ってきた初の宇宙船でした。この成功があったからこそ、のちのアポロ11号の成功があったと言われています。

 

そこでアメリカでは、アポロ8号の成功を記念するために記念切手を発行しました。その切手にはこう書かれています。「In the beginning God...」。そうです。これは創世記1章1節のみことばです。この聖書箇所が切手に書いてあるのには理由があります。アポロ8号の宇宙飛行士たちが1968年12月24日、クリスマスイブの日に、人類初のいわゆる「日の出(Sunrise)」ならぬ「地球の出(Earthrise)」を見ながら口にした初めての言葉だからです。「初めに、神は天地を創造された」から、創世記1章10節までを宇宙飛行士たちは順番に読み上げました。中にはクリスチャンではない人もいましたが、誰もがその素晴らしい光景を見ながら創造主であられる神様をほめたたえざるを得なかったそうです。のちにアポロ17号が打ち上げられた時に撮られたまん丸い地球の姿も有名です。その写真は「青いビー玉(The Blue Marble)」と題されました。なぜならまるで地球が、子供の遊ぶガラスのビー玉のように美しいけれど、小さくてすぐに壊れそうにもろく見えたからです。

 

皆さん、もうすぐクリスマスです。神様は広大な宇宙の中の小さなビー玉のような地球の中で、また塵より小さな存在である私たち人間に、全宇宙よりはるかに大きな愛をお示しになるために、ご自分の独り子を与えてくださった日です。

 

初めに、神は天地を創造された。地は混沌であって、闇が深淵の面にあり、神の霊が水の面を動いていた。神は言われた。「光あれ。」こうして、光があった。(創世記1:1~3)

 

在主 林 尚俊 

 

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