2022年01月23日

愛する皆さま

主の御名を心よりほめたたえます。

去年の秋ごろの話ですが、NETFLIXという動画配信サイトを通して配信されている『イカゲーム』という韓国ドラマが大きな話題になりました。日本でもニュースで紹介されるほど多くの人々が視聴したそうです。もちろん私も観ましたが、かなりショッキングなシーンもあったので個人的には推薦したいとは思いません。しかし、子供の時によく町で友達としたいろいろな遊びが登場し、同じような遊びが日本にもあったと妻から聞いて、びっくりしました。「だるまさんが転んだ」、「メンコ」、「型抜き」、「ビー玉」、「綱引き」などです。私が子供の頃に遊んでいたのと、ほぼそっくりだったことが分かりました。妻とそんな話をしながら昔を懐かしく思い出しました。

 

特に私は子供の頃、負けず嫌いだったので、すべての遊びに命を懸けていました。その中で「メンコ」や「ビー玉」など、いわゆる賭け系の遊びには天才的な才能を持っていて、一時期、町の中に私の敵はいないと言われるほどでした。実は勝てる秘策を持っていたのです。それは体力と粘り強さ、忍耐力、そしてちょっとしたずる賢さです。

 

皆さんもご存じのように、昔は今と違って外で遊べる時間は結構長いものでした。放課後、宿題が終わってから夕飯の前までです。この時間には毎日走り回っていたので十分な体力があり、自然と長期戦に適していました。しかも私の母は仕事をしていたので、夕食の時間が遅かったのです。そのため他の友達と違って私はいつも最後の最後まで残ることができました。ほとんどの子供たちは「ご飯だよ」という声を聞くと、自然と「早く行かないと怒られる」と思い、焦り始めます。私の作戦はその瞬間を待つことです。私は「もう1回だけやろうよ」と、しつこく粘ります。するとみんな「もう帰らないと」と言います。それでもめげずに私は粘り続けます。「本当にこれが最後だから、もう1回だけやろう」。すると今度は、その子の兄や弟が登場して「早く来ないとお母さんに叱られるぞ」と言います。それからが正念場です。私はこう言います。「仕方ないね。じゃあ、今持っているものすべてを賭けて一発勝負しよう」。するとほとんどの友達は私の作戦に乗って「いいよ。その代り早くしよう」と言うのです。

 

ここからは今まで培ってきた忍耐力を見せる場面です。自分の順番が回ってくると、なるべくゆっくり時間を稼ぎます。相手が戦々恐々として自分の家の方をチラチラと気にしながら「いいから早くして」と言い始めたら勝負は決まりです。あとは相手のお母さんから「いい加減にしなさい!」という最後の声が聞こえるまで待っていれば勝つのです。お母さんの怒った声を聞いた友達は、仕方なく自分のものをすべて諦めるしかありません。そして私は凱旋将軍になったような気持ちで戦利品を手にして言います。「今日も楽しかったな。また明日」。しかし、そのような狡猾な作戦による君臨は、そう長く続きません。後に真の勝負師が現れると同時に、あっけなく終わってしまいました。

 

落とし穴を掘る者は自らそこに落ち/石垣を破る者は蛇にかまれる。 (コヘレトの言葉 10:8) 

                              

在主 林 尚俊

 

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