2022年02月27日

愛する皆さま

主の御名を心よりほめたたえます。

2月の最後の週になりました。今年度はあと1か月ほど残っていますが、皆さんは2021年度をどのように過ごされましたか? 残りの1か月が、有終の美を飾る時間となれればと思います。

 

さて皆さんは『ホワイトナイツ/白夜』というハリウッド映画を見たことがありますか。私は昔、見ましたが映画の内容はあまり覚えていません。当時とても有名な旧ソ連出身のバレリーノ、ミハイル・バリシニコフ主演のダンス映画でした。アメリカの黒人タップダンサーと旧ソ連出身のバレリーノの美しいダンス映像に重ねて、主題歌である『Say you Say me』が流れる場面は、なぜかいまだに鮮明に覚えています。当時この映画を通して『Say you Say me』を歌っていたライオネル・リッチーという歌手も一躍有名になりましたね。この歌は今でも多くの人々に愛されています。私もたまに知らないうちに「セイ・ユー♬セイ・ミー♬」と口ずさんだりします。

 

この映画の主演男優だったミハイル・バリシニコフは、このあとも世界的に活躍したようです。現役引退後も舞台の芸術監督やダンサー養成のために情熱的に活動していた彼のインタビュー記事を読んだことがあります。質問の中に「あなたの成功の秘訣は何ですか」というごく普通の質問がありました。それに対して彼は「私には素晴らしい師匠がいました。それが私の成功の大きな要因です」と答えました。記者が「その師匠とは誰ですか」と質問すると、彼は「鏡です。鏡は、芸術という決して楽ではない長い道の中で私を叱り、また正して、絶えず成長させるために私をずっと見張ってくれる素晴らしい師匠です」と答えたそうです。私はこのインタビュー記事を読んで、「なるほどなあ」と思いました。確かに鏡はわたしたちの一挙手一投足をあるがまま加減することなく映し出します。それを見て今の自分の姿や状態が分かるので、師匠とも言えるのではないでしょうか。

 

言われてみれば私も鏡を見るのが大好きです。毎朝家を出る前に、少なくとも30分以上は鏡の前で時間を費やしています。また道を歩いている時にショーウィンドーに映る自分の姿をチラッチラッとみるのも大好きです。しかし誤解しないでください。それは私がナルシシストだからではありません。私は青年時代、鏡を見ることはもちろん写真を撮られることも大嫌いな人でした。家のさまざまな事情や貧しい環境のため、人生に迷い悩んでいた思春期の自分の暗い姿は、自分でも怖く感じるほどだったからです。ですから10代から20代の時の写真があまりありません。でもイエス様に出会ったあと、鏡を見る時の心が変わりました。鏡に映る自分の姿を見て幸せだと感じるようになったのです。もちろん自分の外見が急に気に入ったからではありません。今の自分の姿は神様の視線で見ると、ご自分の御子キリストの命の代りに買い取った白い義の衣を着ている状態に見えるからです。そして後に私たちが実際に神様の御前に立つ時が来たら、主の栄光によって自分で見ても輝く姿に見えることも知っているからです。その時が来るまではみ言葉と祈りという鏡に自分の姿を映し、吟味していきたいと思っています。

 

ちなみに先日、初めて妻にライト付きの鏡台を買ってあげました。今まで家にはスタンド式の細い全身鏡しかなかったので妻は本当に嬉しかったようです。きっと毎朝女優さんになった気分で鏡の前に座るでしょう。

 

わたしたちは皆、顔の覆いを除かれて、鏡のように主の栄光を映し出しながら、栄光から栄光へと、主と同じ姿に造りかえられていきます。これは主の霊の働きによることです。

(コリントの信徒への手紙二 3:18)                

 

在主 林 尚俊 

 

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