2022年03月27日

愛する皆さま

主の御名を心よりほめたたえます。

 

私たちが大阪に来てからちょうど2年になります。今だから正直に申し上げますと、コロナ禍での新生活は簡単ではありませんでした。何よりも来てすぐに長い自粛生活を余儀なくされたので、もどかしく思ったのです。皆さんにも最初の聖日に一回会ったきりで、ほぼ2か月間、寂しく礼拝を捧げざるを得ませんでした。大阪の地理どころか、千林商店街の位置関係を把握することも簡単ではありません。しかも日本語の標準語さえもまともにマスターしていない私にとって、大阪での生活は、新しい海外に来たような感じでした。

 

もちろん大阪も大都会ですので、町並みは東京とほぼ同じです。むしろ東京より効率的で便利な面もあるので不便は感じていません。しかし言葉と文化は多少違うので、慣れるのに少し時間が必要でした。特に言葉ですが、最初は商店街でおじいちゃんやおばあちゃんにちょっとだけ早口で声をかけられると緊張してしまいました。もちろん今は、スピーキングの方はまだまだですが、リスニングはある程度慣れましたので、そこまで緊張はしなくなりました。

 

そんな中、実は大阪に来てほぼ2年になって初めて、大阪風の鉄板焼きのお店に行きました。お好み焼きと焼きそばをメインに売っているチェーン店です。いつも気になっていたお店だったのですが、緊急事態宣言やまん延防止措置が出ていた期間もたくさんあり、なかなか入る勇気が出なくて一歩踏み出せなかったのです。しかし先日、やっと妻と2人で思い切ってお店に入りました。夕食には早い時間でしたが、広い店内は満席で人々が並んでいました。「やっぱ大阪やな」と言いながら番号表をもらって、しばらくすると、私たちは店の一番奥にある座敷の席に案内されました。席に座った私たちはちょっと緊張しながらメニューを開きました。注文の仕方も分かりません。最初から自分たちで焼かないといけないと思っていたのですが、隣のテーブルをちらりとスキャンしたら、どうやらほぼ完成されたのが運ばれてくるようです。そこで安心してお好み焼きと焼きそばを1つずつ頼み、とても美味しく頂きました。もうちょっと早く来ればよかったなと思いました。

 

そして今この手紙を書いている今日のお昼には、教会の近くにあるお好み焼きのお店でお好み焼き定食、しかも焼きそばも入っているモダン焼きを普通に頼んで食べました。最初はご飯のおかずとしてお好み焼きと焼きそばを食べるというダブル、いやトリプル炭水化物の食べ方は、ちょっと不思議だったものの、今はなぜ関西の皆さんがご飯と一緒にお好み焼きや焼きそばを食べられるのかわかるような気がしてきました。普通に美味しいです。今日の私の姿は、知らない人から見たら、お昼にお好み焼き定食を食べている普通のなにわのおっちゃんに見えたでしょう。そう思うとすごく嬉しくなり、一人でお好み焼き定食を食べながらニヤッと笑いました。神様、おおきに。

 

ユダヤ人に対しては、ユダヤ人のようになりました。ユダヤ人を得るためです。…すべての人に対してすべてのものになりました。何とかして何人かでも救うためです。福音のためなら、わたしはどんなことでもします。それは、わたしが福音に共にあずかる者となるためです。

(コリントの信徒への手紙一 9:20~23 )

 

在主 林 尚俊 

 

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