2022年05月22日

愛する皆さま

主の御名を心よりほめたたえます。

 

すぐる聖日の説教の中で、弟子たちがイエス様の命令に従って網を打った結果153匹の魚が取れたという話をしました。その時、153匹という数字がこれからの教会の宣教の働きによって救われる神の民の総数を意味するいう部分は説明しましたが、なぜ具体的な「153」という数字が示されたのかについては分からないと言いました。その後、いろいろ関連のある本を調べて読みましたが、それらしい答えはなかなか見つかりませんでした。

 

そんな中、私の頭の中に、この数字に関するとても大事な思い出がフッと浮かびました。韓国では「153」という数字は、とても身近に感じられる数字なのです。学校でボールペンを使う年齢になるとこの数字と関わるからです。「153」という数字は、韓国で一番有名な文房具会社の一つである「Monami」という会社の代表的なボールペンの商品名です。「153」というボールペンは、発売されてから今でも一番売れているボールペンです。品質が悪くないうえ値段もとても安いため、誰もが少なくとも一本以上は持っています。驚くべきことに今も最初に発売された1963年の値段のまま販売されています。今も日本円で一本約15円で買えるのです。とてもシンプルなデザインで頑丈な作りなので、どんな場面でも使えるコスパ最強のボールペンです。

 

なぜ私がここまで「153」ボールペンをベタ褒めするかと言いますと、このボールペンの名前はヨハネによる福音書21:11から生まれたからです。そう、この会社の創業者はクリスチャンです。経営難で会社が倒産の危機に追い込まれていた創業者は、聖書を通読していました。そしてある日、このヨハネによる福音書の箇所を読んだそうです。ちょうどその時、危機を乗り越えるために新商品の開発を試みていたそうです。新商品の名前を何にするか悩んでいた彼の目に「153」という数字が飛び込んできました。「意味は分からないけれど主の御言葉に従った結果153匹の魚を取ることができる」ということは、主の恵みを頂くという意味であると確信した彼は、新商品に「153」というとてもユニークな名前を付けることにしました。もちろん値段も153ウォンに設定しました。

 

はじめはすべての従業員が反対したそうです。しかし彼の中には確信がありました。その確信とは、商品がヒットするかどうかではなく、この名前を通して神様の御業がこの世に広がるということでした。その後「153」ボールペンは、歴史に残る大ヒット作になりました。そして彼は神様からの恵みをなるべく多くの人々と分ちあうために、今も発売当時の値段である153ウォンで売り続けているのです。今は販売すればするほど赤字になる計算だそうです。しかし当初の志のとおり「神様の御業がこの世に広がるのなら続けたい」と宣言したそうです。そのおかげで今でも多くの韓国の学生たちは、安くて丈夫な「153」ボールペンで勉学に励んでいます。日本でも買えそうなのでネットで頼もうと思っています。ちなみに私が調べて結論づけた「153」という数字の意味は今度の説教の時に分かち合いたいと思います。

 

シモン・ペトロが舟に乗り込んで網を陸に引き上げると、百五十三匹もの大きな魚でいっぱいであった。それほど多くとれたのに、網は破れていなかった。(ヨハネによる福音書21 :11)

 

在主 林 尚俊

 

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