2022年09月18日

愛する皆さま

主の御名を心よりほめたたえます。

 

私は18歳になってすぐに自動車の運転免許を取得したので、運転の経歴は30年以上です。前にも申し上げましたが、車はもちろん、乗り物を操るのが大好きです。ですから運転の実力はさておき、運転の経歴そのものに関しては自負心を持っています。ところが最近、車の免許に関するある驚くべき記事を目にしました。なんと77年間、無免許で運転をしていた人についての記事です。しかもその人はその事実を隠そうとしたこともなく、また正式に運転免許を取得しようともせず、ずっと無免許運転を続けてきたそうです。さらにこのことが公になったにもかかわらず、一度も警察に捕まったことがなかったそうです。もっと驚いたのは、その人には軍隊の経験もあり、所属部隊はいわゆる運送部隊だったとか。しかもその人の任務は軍用トラックの運転と軍車両の整備だったそうです。つまり車や運転に関してはプロに近い腕を持っていたということになりますが、もちろん軍隊の中でも免許を取得していなかったそうです。

 

しかし残念ながら、その方は最近亡くなられました。しかもその方が亡くなったことで、おそらく全世界の人々が悲しんでいます。日本でも連日ニュースになっています。お気づきでしょうか。そう、その方はイギリスのエリザベス女王です。エリザベス女王はイギリス領土の中では運転免許は必要ありませんでした。なぜなら自分の私有地だからそうです。しかももっと驚くべきことに、この70年間、イギリスで発行されたすべての運転免許証は、無免許であるエリザベス女王の名前で発行されていたそうです。

 

この記事を読み、私はエリザベス女王が生前持っていた他の特権についても調べてみました。日本と同じく立憲君主制を採択しているイギリスですが、昔から国内での女王(国王)の権限は実に多様でオールマイティーです。いろいろある中で特にいくつか面白い項目を見ますと、まず王室の中には女王専用のATMがあるそうです。そして桂冠詩人といわれる専属の詩人がいます。ちなみに女王が亡くなった時の桂冠詩人はキャロル・アン・ダフィーという人でした。そして次は私が最も羨ましいと思ったことですが、なんとテムズ河で泳ぐすべての白鳥、さらに英国領海内のイルカもチョウザメもクジラも、すべて所有者は女王だったそうです。これ以外にも絶対に逮捕されないことや、政治的な力はないもののイギリス連邦国であるオーストラリアの議会に関しては議会解散権も持っていたそうです。ここまで聞くとある意味、世の人の中では最も大きな権力を持っていたように見えますね。しかし興味深いのは、そんな女王も神様の御前では一人の人間にすぎなかったということです。女王はイギリス国教会である聖公会の首長でもあります。つまり教会で神様に仕える立場でした。絶対的に見えるこの世の王の権限をも、結局は神様からのものであるということです。

 

神は、定められた時にキリストを現してくださいます。神は、祝福に満ちた唯一の主権者、王の王、主の主、唯一の不死の存在、近寄り難い光の中に住まわれる方、だれ一人見たことがなく、見ることのできない方です。この神に誉れと永遠の支配がありますように、アーメン。(テモテへの手紙一 6:15~16) 

 

在主 林 尚俊

 

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