2022年10月09日

愛する皆さま

主の御名を心よりほめたたえます。

 

主の恵みの中で良い休暇の期間を終え再び日常に戻りました。久しぶりにゆっくり過ごすことができました。皆さんのお祈りに感謝いたします。これから一年、また頑張れると思います。

 

さて、皆さんは「大谷石」をご存じですか? 最近話題のメジャーリーグで活躍している大谷選手とは全く関係ありません。読み方は「おおたにせき」ではなく「おおやいし」です。軽石凝灰岩で栃木県宇都宮市北西部の大谷町付近で採掘される石材であることから、「大谷石」という名前になったそうです。薄いエメラルドグリーンで柔らかく加工しやすいため古くから外壁や土蔵などの建材として使用されてきたそうですが、最近では崩れやすいことから外壁の使用には制限があるようです。

 

なぜいきなり大谷石の話をしたかと言いますと、実は今回の休みの間、妻の実家で大谷石と戦いをしてきたからです。実際に石と殴り合ったわけではありません。大谷石を使って作業をしてきたのです。妻の実家(生まれは東京の世田谷だが、後に親が茨城の笠間市に移住したため、一応「実家」)は、某テレビ局の「ポツンと〇軒家」に出てきそうな山奥にあり、木で造られた素朴で素敵な家です。車を止める所から玄関まで、約20メートルの石畳がありますが、その石畳が大谷石でできています。しかし問題は、先ほど紹介したように美しいけれどとても柔らかいので、石畳の材料としては相応しくないことです。家を建ててから約25年間、雨風や人の重さをもろに受けた大谷石は、もうボロボロの状態でした。実は何年か前に一番ダメージがひどい部分を何枚か張り替えたことがありました。その時、わりと簡単に作業が終わったので、今回もさっそく石畳を張り替えることにしました。

 

気持ち的には全部張り替えたかったのですが、義父とホームセンターに行くと在庫がありません。そこで今回もダメージがひどい部分だけを張り替えることにしました。最初は「こんなの朝飯前や」と勢いよく始めましたが、いざ作業を始めるとすぐに足腰から悲鳴が聞こえ始めました。しかし共に作業をしていた今年83歳の義父はへっちゃらのようです。そこで私も弱音は吐けず、何とか頑張りました。しかしさすがにしんどさが顔に現れたのか、妻や義母が心配して「大丈夫?」と何度も聞きました。私は「平気です」と答えましたが腰は限界です。作業の工程でさまざまな紆余曲折があり、本来なら一日で終わる作業が結局3日かかったのです。しかし休みの時に何もしないで家でごろごろするより、ずっと意味のある時間でした。

 

今まで私は、お盆休みに実家に行って畑の作業をしたとか、親のために何かをしてきて大変だったとつぶやく人々を羨ましく思っていました。結婚15年目にして、やっとそれが実現できたので実に嬉しいかぎりです。だからもし私が今回の休みについて「休みの間、休むどころかずっと体を動かしていました」と言っても心配しないでください。それは「親が元気だったので安心しました」というある種の自慢話だからです。親が元気でなければ大谷石の話などしていられません。心から主に感謝します。

 

それゆえ、主なる神はこう言われる。「わたしは一つの石をシオンに据える。これは試みを経た石/堅く据えられた礎の、貴い隅の石だ。信ずる者は慌てることはない。

(イザヤ書 28:16) 

 

在主 林 尚俊

 

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