2022年10月16日

愛する皆さま

主の御名を心よりほめたたえます。

 

皆さんもご存じのように先週の聖日は、久しぶりに私たち森小路教会にとっては一大イベント(?)がありました。念願のパイプオルガンのデビューです。今から考えると信じられない出来事です。私たち夫婦が森小路教会に着任する前から、パイプオルガン購入のための静かな動きはあったとお聞きしましたが、まさかそれがこんなにも早く実現するとは夢にも思っていませんでした。

 

さかのぼること昨年度の春、神様の不思議な導きによって突然オルガン購入の具体的な話が始まりました。それから中里オルゲルバウの中里さんご夫妻にパイプオルガンの制作を依頼するまで、半年もかかりませんでした。それからさらに一年がたった先週の日曜日の夕方、中里さんご夫妻が来阪し、そして月曜日、いよいよ待ちに待ったオルガンが教会に届きました。D-Dayの月曜日の朝、いつもは朝、起きるのは苦手ではありませんが、前日の夜、遠足前の子どものようになかなか眠れなかったので、朝寝坊をしてしまいました。いけない! 顔をササッと洗い、そのまま教会に向かって走ります。ギリギリセーフ。しばらくするとオルガンを積んだトラックが到着しました。トラックの荷台を開けると何重にも大事に大事にくるくるとラッピングされたいくつかのオルガンのパーツが姿を現しました。まるでベールをかぶった花嫁のようです。トラック運転手を含め3人のスタッフによりトラックから降ろされたあと、中里さんご夫妻と私にそのバトンが渡されました。

 

そのあと、私たちは第一の難関であるエレベーターの前に立ちすくみます。ふだんは私たちに優しくしてくれるエレベーターですが、その日にかぎって、まるで「よそ者は簡単には入れさせまい」と言わんばかりに立ちはだかっているような気がしました。中里さんが先頭に立ってオルガンの大事な本体をゆっくりとエレベーターの中に引っ張り入れます。私も後ろからそっとゆっくり押しました。エレベーターは透明なベールに包まれているオルガンの美しい姿に気付いたのでしょうか。開かれた冷たい金属のドアの中にオルガンを受け入れてくれました。ぴったりです。さすが職人の業! 隙間はわずか数センチです。そして問題なく、ついにオルガン本体を無事に2階まで運ぶことができました。

 

それから礼拝堂の奥まで、ゆっくりとオルガンを押しながら進みます。その時の中里さんの心境は、大事な娘の手を取ってバージンロードを歩いているような気持ちだったかもしれません。美しい音色を奏でるために前もって定められていた最適な場所に、パパとママの優しい手によって作られたオルガンがこうして運び入れられました。すぐさま休むことなく組み立て作業です。それから約一週間、大事に大事に組み立ての作業や調律の工程を経て、無事に聖日の朝を迎えることができたのです。

短いお手紙ですべての過程と感動を説明することは難しいのですが、これが大体の流れです。中里さんご夫妻は産みの親で、私たち森小路教会は育ての親として、これからも長く付き合っていきたいと思います。ちなみにこのパイプオルガンを私は勝手に「小鳩(こばと)」ちゃんと名付けました。理由が知りたい方はぜひ私に個人的に聞いてください。これから小鳩ちゃんと共に楽しく、神様を大いに賛美していきましょう。ハレルヤ!

 

太鼓に合わせて踊りながら神を賛美せよ。弦をかき鳴らし笛を吹いて神を賛美せよ。

(詩編150:4)

 

在主 林 尚俊

 

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