2022年11月06日

愛する皆さま

主の御名を心よりほめたたえます。

 

人生には新しい出会いがあり、また別れがあります。年を取っていくというのは、出会いと別れを重ねていくことかなと思ったりします。しかし別れは何度繰り返しても寂しいものです。先日、長い間変わらない姿で、黙々と自分に任された仕事をしてきてくれた私たち森小路教会の大事な友とお別れをしました。約27年間、この教会で私たちと共に神様を賛美してきたアーレンちゃん(電子オルガン)です。もちろん私たちの教会とお別れをしたからといって、現役を引退するわけではありません。他の教会にお嫁に行くことになったのです。アーレンちゃんを私たちのところにお嫁に出してくださったアーレン社の方のお話によると、1995年生まれのアーレンちゃんは、まだまだ若いそうです。ですからこれからも新しい教会で美しい音色を奏でながら、神様を賛美し続けることになりました。寂しさ半分、うれしさ半分です。

 

私とは3年ほどの短い期間でしたが、私たちの共同体にとっては、長い間、共にいた大事な仲間でした。ちょうど逝去者記念礼拝の準備のために、先に神様の御許に召された私たち共同体の信仰の先輩たちのお写真を1階の集会室に飾る時、私の前々任のK牧師先生と一緒にアーレンちゃんを弾いておられるY姉妹の後ろ姿の写真を拝見しました。お二人の後ろ姿を見ながらしみじみと思いました。悲しい時も、うれしく楽しい時も、こうやっていつも私たちと共に神様を賛美してきたのでしょう。

 

お別れの日は、私たちの寂しい気持ちを表しているかのように、朝から雨がしとしとと降っていました。アーレンちゃんから今後大事な使命を託された新しい小鳩ちゃんと、私が見守る中、迎えに来た運送会社の方々の手によって、アーレンちゃんは丁寧にグルグル巻きにされ、今まで守ってきた礼拝堂の後ろから離れて、おそらく最初にこの礼拝堂に入る時に乗って来たエレベーターに乗って、1階に降ろされました。そしてまともに挨拶することもできないまま、台車に乗せられ、商店街の道を通って、ちょっと離れていたトラックの方に運ばれていきました。それからアーレンちゃんを乗せたトラックはあっという間に去っていきました。私が涙を流したかどうかはノーコメントにしておきます。

 

今までありがとう、アーレンちゃん! 次の教会でも末永く、また元気よく讃美歌を奏でんねんで! よろしゅう頼んます!

 

わたしはイスラエルを自分のために造った。この民は、いつかきっと、人々の前でわたしをたたえるようになる。

(イザヤ書 43:21リビングバイブル)

 

在主 林 尚俊

 

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