2022年11月13日

愛する皆さま

主の御名を心よりほめたたえます。

 

私が天体マニアであるということは教会の中ではすでにバレていると思いますが、改めて申し上げます。私は天体、つまり宇宙が大好きです。そんな私のところに先日の火曜日の午前、一通のとても重要な諜報(?)が入ってきました。Y・Y長老からです。なんとその日の夜442年ぶりの特別な皆既月食が見られるという情報です。もちろん自他共に認める天体マニアですので、月食については把握していましたが、442年ぶりの特別な皆既月食だとは初耳でしたので、さっそくネットでググってみました。今から422年前の1580年は、日本の安土・桃山時代、カトリック教会のイエズス会宣教師ヴァリニャーノが日本で初めてセミナリヨ(神学校)を開校した年でもあるそうです。しかしそんな歴史的な意味よりも、今回の月食が楽しみな理由があります。442年ぶりの惑星食です。今回はとても珍しく天王星が月に隠れる天王星食も同時に起こるということでした。天王星はそこまで明るくない星のため、一定の条件が満たされないかぎり、ふだんは見ることのできない幻の星です。今回の皆既月食で月が暗くなるため天王星食も観測できるとのことでした。何だかドキドキですね。

 

早速、妻と共に422年ぶりの天体ショーを観測するための徹底的な準備に突入しました。皆さんもご存じのように前回の天体ショーは予期せぬアクシデントもあり見逃してしまったので(この事件については教会HPの2021/11/28の牧師室よりを参照)、今回は万全の準備をします。まず前回の大きな失敗の原因であったスマホアプリと実際の方角が一致しているかを確かめます。それから画像に残すために望遠レンズ付きの教会のカメラを借ります。そして牧師館のベランダだと見えない可能性があるので、いつもの私たち夫婦の天体観測の場所である淀川の河川敷に行くことにしました。

 

しかし午後4時、他に用事があって出かける際、空を見上げるとなんと曇りではないですか。いつ雨が降ってもおかしくないような暗い雲が空全体にかかっていました。天気予報では晴れだったのに…と、不安に思いながら予定していた用事を済ませたあと、車で家に戻る途中、窓から空を見上げた妻が嬉しそうに声を上げました。「月がきれいに見えてるよ。しかも欠け始めてる」。見ると雲はなくなり、下の一部分が欠け始めているきれいな月が浮いているではありませんか。

 

しかしカメラは教会にあります。急いで教会に戻り、カメラを取って教会の前で撮影を始めました。全体的に地球の陰に隠れた月の色は言葉通り黒赤色に染められていました。なぜ英語でブラッドムーンというのか分かるくらい確かに血の色です。その後、よりきれいな写真を撮るために淀川に向かいました。淀川には学生たちなど、大勢の人々が世紀の天体ショーを見ようと集まっていました。彼らもこの天を造られた神様の存在に気づいてほしいと祈りながら、しばらくそこで秋の夜空に広がる神様の御業を見つめ、三脚を構えました。

 

どうして、人が神の前に正しくありえよう。どうして、女から生まれた者が清くありえよう。月すらも神の前では輝かず/星も神の目には清らかではない。まして人間は蛆虫/人の子は虫けらにすぎない。(ヨブ記 25:4~6) 

 

在主 林 尚俊

 

牧師室より トップ