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2022年12月04日
愛する皆さま
主の御名を心よりほめたたえます。
12月になりましたね。毎年この時期になると口癖のように言いますが、時の流れは本当に早いものです。この一年で計画していたことの中で実現できなかったものはないかと思い返すと、大きく反省すべきことがありました。それは訪問です。もちろん何件か訪問をしましたが、コロナ禍での訪問はいろいろな意味で一番リスクのあることだったので、なかなか実現することができませんでした。しかし冷静に考えてみますと、時にはコロナを口実に怠けていたのをごまかそうとしていたかもしれません。というわけでコロナ感染の第8波が広がる前に、今まで実現できなかった訪問を再開したいと考えていました。その第一弾として、先日、比較的教会の近くにある施設におられるK姉妹の施設をお訪ねしました。ほんの30分の短い時間でしたが、施設の配慮によって近くの公園まで行くことも許されました。1年ほど前から車いすで移動するようになったK姉妹は、お出かけすることがなかなか難しく、久しぶりに外に出ることができたそうです。
私たち夫婦は約束の時間に施設に到着しました。するとすぐにお出かけの準備を済ませたお元気そうなK姉妹がいらっしゃいました。その日は11月の末といっても、まるで春のような陽気でした。近くの公園までの道は、車いすでも問題ないほど交通量が少なかったので、時々ご自分でホイールを回しながら、ゆっくりと公園に向かいました。施設のすぐそばの公園ですが、本当に何年ぶりに訪れたそうです。小さな公園には、さまざまな木が植えられていました。ちょうどイチョウの木の葉が黄色く染まり秋の鮮やかさを感じさせてくれました。K姉妹は少女のように喜んでいらっしゃいました。
公園のベンチに座り、互いの近況や教会の最新ニュースなどいろいろお話をするうちに、私はふとあることを思い出しました。それはいつかK姉妹が「私は先生の説教を一度も直接聞いたことがありません」とおっしゃったことです。そこでスマホを出してこの前の礼拝の映像をお見せしました。まず新しく教会に加わった小鳩ちゃんの音色をお聞かせしました。「美しい」とおっしゃいながらしばらく聞いていらっしゃるうちに、いつの間にかK姉妹は小さな声でオルガンの奏楽に合わせて賛美を始めました。もちろん映像には教会の皆さんは映っていませんが皆さんが賛美する声が聞こえましたので、本当に久しぶりに皆さんと一緒に賛美をささげるお気持ちだったことでしょう。そしてその後、いよいよ説教の部分です。自分の説教の映像を誰かの前で見るのは実に恥ずかしかったのですが、しばらく一緒に説教も聞きました。「この前、送ってくださった説教ですね。聞きやすいです」とおっしゃってくださったので、ちょっと安心しました。
私たちの短い公園デートは、あっという間に終わってしまいました。感染拡大防止のため、来週からはまた外出が制限されるようです。本当に残念ですがまたコロナが落ち着いたらお訪ねし、今度は教会まで行きたいですねとお話しながら施設を後にしました。またお会できる日を楽しみに!
彼らは、使徒の教え、相互の交わり、パンを裂くこと、祈ることに熱心であった。(使徒言行録 2:42)
在主 林 尚俊