2022年12月18日

愛する皆さま

主の御名を心よりほめたたえます。

 

皆さんもご存じのように、私は大のサッカーファンです。特にイングランドのプロサッカーリーグであるプレミアリーグの中継を見るのが大好きです。そんな私にとってサッカーワールドカップが開催されている今の時期は、4年に一度の大きな喜びの期間です。しかも私には人より2倍の楽しみがあります。韓国と日本、両国が今回のW杯に出場したので、ダブルの楽しみでした。今この手紙を書いている時点では、どちらのチームもグループリーグで勝ち残り、ベスト16が争う決勝トーナメントまで進出したものの、両方とも仲よく負けてしまい、今回の大会ではこれ以上の活躍ぶりを見ることはできません。しかし代表選手たちが祖国のために最善を尽くして走ったので、大きな感動と喜びの2週間でした。ちょっと寝不足にはなりましたが、日本も韓国も優勝候補とも言われていた強豪チームに勝ってくれるなど、素晴らしい試合が多くありましたので、本当に本当に楽しかったのです。それに加えてそれぞれのチームには私が個人的に応援している選手がいて、その選手が期待通りの大活躍をしてくれたので、私は両チームの成績に大満足しています。もちろん準決勝戦や決勝戦はこれからですので、楽しみは残っています。

 

さて今回も試合以外でドラマのようなエピソードがありました。例えばスーダンの難民出身のアワー・メイビルという選手は、自分を受け入れてくれた第二の祖国オーストラリアのために大きく貢献しました。その結果、チームはベスト16まで上がりました。これ以外にもたくさんのストーリーがありますが、そんな中で特に私の目を引いた記事があります。それは韓国のチームキャプテンのインタビューです。今回の韓国チームの中で一番活躍したと思う選手を挙げてくださいという記者の質問に「私から見たら選出された26人全員がヒーローです。しかし強いて言えば背番号のなかった27番目の選手だと思います」と答えたのです。

 

今回の大会の選手は26名までとなっていましたが、それ以外に万が一に備えてバックアップメンバーを一人連れて行くことが許されていたそうです。もちろん彼らはさまざまな理由で代表にならなかっただけで、代表選手並みのレベルであるのは間違いありません。しかし選手のプライドもあり、日本を含む多くの国ではバックアップメンバーを連れて行かなかったそうです。しかし韓国の代表チームのバックアップ選手は、自ら志願して、選手としてではなく、スタッフの一員としてワールドカップに参加したそうです。彼は選手たちのためにユニフォームを備えたり、タオルや水を運ぶなど、スタッフとしての役割はもちろん、選手の練習相手になったりしたそうです。そんな彼の活躍もあって、韓国チームは予想を超える成績を残すことができたと答えたのです。そしてそのバックアップの選手のことを「Unsung hero」、つまり「陰の英雄」と称しました。このような多くの「陰の英雄」のおかげで、今回のW杯は、より楽しい大会となりました。選手の皆さんとスタッフの皆さん、ありがとうございました。

 

太陽の下、再びわたしは見た。足の速い者が競争に、強い者が戦いに/必ずしも勝つとは言えない。知恵があるといってパンにありつくのでも/聡明だからといって富を得るのでも/知識があるといって好意をもたれるのでもない。(コヘレトの言葉 9:11) 

 

在主 林 尚俊

 

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