2023年1月15日

愛する皆さま

主の御名を心よりほめたたえます。

 

先日、お知らせさせていただいた通り、大阪YMCAの新年礼拝の説教の奉仕のために土佐堀にある大阪YMCA会館に行ってまいりました。皆さんもお気づきのように私は普段あまり緊張しないタイプですが、その日はキリスト教の団体とはいえ、教会外での説教奉仕だったので、さすがにちょっと緊張していました。そのせいか朝早く目が覚めて、さっさと準備を済ませて出たら、思ったより早く現地に着いてしまいました。近くにカフェがあったので、そこでコーヒーを飲みながら原稿をもう一度読み直しました。

 

それから時間に合わせてYMCA会館の2階に行きました。受付の方の案内で控室に入る前に集会場の中をのぞいてみると、すでに多くの方々が集まっています。担当の方の話によると新年礼拝のために実際に集まったのは3年ぶりだそうです。集まった皆さんの話し声や笑い声で会場は活気にあふれていました。控室に入り関係者の方々と挨拶を終えた後、簡単に流れの説明を受け、いよいよ会場に向かいました。私の席は講壇から見ると一番前の左側の列にありました。そこにはYMCAの幹部の方々のための席もあり、すぐ後ろの二列目は、その日の主人公ともいえる継続会員や永年勤続などの実績を表彰される方々のための席がありました。

 

しばらく座っていると二人のご高齢の方が会場に入ってこられました。二人とも少なくとも90歳近くには見えましたが、お二人が会場に現れると私の隣に座っていたYMCAの会長や副会長、そして総主事の方々がすぐに立ち上がり、二人の年配の方を迎え入れながら挨拶をしました。お二人はその日に50年継続会員として受賞される予定の方々でした。50年間YMCAの発展のために会員としてずっと貢献して来られた方々です。そんな大事な大先輩が現れたので、皆さん席を立って敬意を表するのは、ある意味あたり前だなと思いました。

 

しかしどうやら関係者の皆さんがお二人を大事にされた理由は他にもあったようです。なんとお二人のうちの一人が、YMCAの会長に向かって「お~、○○ちゃん! 大きくなったね」と声をかけたのです。私は一瞬戸惑いました。なぜなら会長は少なくとも60代には見えたからです。その状況を把握するためにいろいろと考えた末、自分なりの結論を見つけました。おそらくその年配の会員の方がYMCAのスタッフとしてバリバリ働いていた頃、YMCA会長は子ども会員だったのでしょう。だから何十年経っても、その方にとって会長は子どもの時の姿のままだったのでしょう。そう思うと心が温かくなりました。YMCAは決して単なる社会事業のための組織ではなく、人と人、そして心と心がつながる絆を大事にする共同体であることが分かりました。さすが神様の愛をこの世に施すために建てられたキリスト教の団体だなあと改めて悟りました。

 

そしてもう一つ、その日私が改めて知ったことがありました。それは私たち森小路教会の長老の一人であるKN長老が、どれほど有名であるかです。多くの方々が私のことを森小路教会の牧師ではなく、KN長老が出席されている教会の牧師と呼んでくださったのです。そのおかげで、なぜか私が有名人になったような気がしました。

 

勧める人は勧めに精を出しなさい。施しをする人は惜しまず施し、指導する人は熱心に指導し、慈善を行う人は快く行いなさい。

(ローマの信徒への手紙12:8) 

 

在主 林 尚俊

 

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