2023年1月29日

愛する皆さま

主の御名を心よりほめたたえます。

 

発明王エジソン、アメリカのバラク・オバマ大統領、物理学者アインシュタイン、伝説のホームラン王王貞治、現存する人類最高のサッカー選手メッシ、そして最後に私には、一つの共通点があります。それは皆、左利きとして生まれたことです。今の私は、バスケットボールのドリブルや、コマ回しでひもを回す時以外は、ほぼすべての動作、例えばご飯を食べるのも文字を書くのも、キャッチボールもサッカーも右利きになりました。しかし生まれた時は左利きだったそうです。日本も昔はそうだったかもしれませんが、私が子どもの時の韓国は、左利きの人にとって過ごしにくい社会でしたので、左利きとして生まれた人はほとんど小さい時に右利きに直されました。私もその中の一人です。

 

韓国語で右を「オルン」と言いますが、これは「正しい」という意味です。ですから「右手」を「オルン・ソン」、つまり「正しい手」と呼びます。不思議に英語でも右を「Right(ライト)」と言いますね。これもやはり「正しい」という意味の単語です。なぜ韓国語で右が正しいという意味になったかは分かりませんが、英語の場合はヘブライ的な思考の影響を受けたからだと言われています。ヘブライ語では右手を「ヤーミン(יָמִין)」と言いますが、これは「ヤーマン(יָמַן)」という言葉から来ていて、これも「正しい」という意味です。そしてさらに、なぜヘブライ語で右を「ヤーマン(正しい)」と言うようになったかと言いますと、神様が私たち被造物に正しいことをなさる時に用いられる御手が、ほとんどの場合、右の手だからです。その代表的な箇所が詩編118:16の「主の右の手は高く上がり/主の右の手は御力を示す」です。左利きとして生まれた私からすると、これは悔しい事実ですが、聖書的に根拠があるので仕方ありません。つまり東西を問わず、昔から右は正しく左利きは正しくないという印象があったようです。

 

しかし聖書の全体が右利きだけが善いと言っているわけではありません。士師記20章を見ると、イスラエルに屈辱を与えたギブアの民族に復讐するために神様は700人の勇士を選ばれましたが、彼らは全員左利きでした。その理由は、「髪の毛一筋をねらって石を投げても、その的をはずすことがなかった」からです。なんと左利きの方が正確に物を投げられるようです。もしかしたら近年、左利きのピッチャーの方が強いと言われているのは根拠のある主張なのかもしれません。もちろんこれはあくまでも私の個人的な感想です。しかし確かに一般的にも左利きの人は右の脳が発達するので、主に創造的な思考が必要な芸術や化学、またスポーツの分野においては有利であるという説が支持を受けているようです。ですから今は無理やり右利きに直したりはしないようですね。

とにかく今の私は、ある意味、両利きとも言えます。個人的に、これはこれで素晴らしいことだと思っています。なぜなら利き手を直されたおかげで、2倍の経験をすることができたからです。

 

七百人のえり抜きの兵士からなるこの部隊の皆が左利きで、髪の毛一筋をねらって石を投げても、その的をはずすことがなかった。

(士師記 20:16)

 

在主 林 尚俊

 

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