2022年3月19日

愛する皆さま

主の御名を心よりほめたたえます。

 

私にはアフリカのコンゴ民主共和国出身の友人がいます。彼は今アメリカに住んでいるので、なかなか会えませんが、たまにメールのやり取りをして互いの働きのために祈る、大事な神の国の仲間です。彼は私よりずいぶん若いのですが、私はいつも彼から一方的に何かを学ぶばかりです。また彼は7か国語も話せる優れた人材ですが、いつも謙虚で人々に心を配る優しい人です。彼が話せる7か国語は、英語はもちろん日本語、韓国語、そしてフランス語、イタリア語、スペイン語が含まれています。そして彼の母国語でもあるスワヒリ語です。

 

ある日、彼が私に母国語であるスワヒリ語の言葉を教えてくれたことがあります。それは「ハクナ・マタタ」という言葉でした。この言葉を日本語で一言では表現することはできないようですが、しいて訳すと「大丈夫だよ」、「問題ない」、「心配ない」、「気にするな」、「どうにかなる」という励ましの意味を持っているそうです。有名な「ライオンキング」というディズニーのアニメ映画の主題歌のタイトルでもあります。日本では舞台劇にもなっており、今も多くの人々に愛されています。私も一度観ましたが、また見に行きたいくらいとても良い舞台でした。

 

その友人の話によると、彼の母国では、昔は「ハクナ・マタタ」という言葉を挨拶の代わりによく使っていたそうです。しかし最近のアフリカ諸国は西洋の影響を受けて社会的に大きく変化し、だんだんとこの言葉を挨拶として使わなくなったそうです。彼いわく、貧しく不便な生活をしていた時にはむしろ「ハクナ・マタタ」と言いながら生活に満足していた人々が、西洋文明による豊かな生活を味わってからは、より便利で豊かな生活を追求するようになってしまったので、これ以上「ハクナ・マタタ」と挨拶しなくなったのではないかとのことでした。

 

先日、ある牧師と短い時間、久しぶりにお茶を飲みながら話をするひと時が与えられました。その交わりの中で、最近の私は自分が持っているものに対して感謝するより、持っていないものにばかり目を向けているような気がしました。いつの間にか「これもないし、あれもないから、難しいね」という口癖になっている自分に気付いたのです。確かに私自身、足りないところばかりですが、残りわずかの2022年度を振り返ると、神様からたくさんの恵みを頂いてここまで来ることができたということを改めて示されました。ですから新しい年度も「ハクナ・マタタ(心配ないさ)! 神様が共にいてくださるからからね」と自分に言い聞かせながら歩んでいきたいと思います。そして皆さんにも自信を持って伝えたいと思います。「ハクナ・マタタ! 主に委ねましょう!」

 

すると主は、「わたしの恵みはあなたに十分である。力は弱さの中でこそ十分に発揮されるのだ」と言われました。だから、キリストの力がわたしの内に宿るように、むしろ大いに喜んで自分の弱さを誇りましょう。それゆえ、わたしは弱さ、侮辱、窮乏、迫害、そして行き詰まりの状態にあっても、キリストのために満足しています。なぜなら、わたしは弱いときにこそ強いからです。

(コリント二12:9~10)  

 

在主

林 尚俊

 

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