2023年4月02日

 

愛する皆さま

主の御名を心よりほめたたえます。

 

先日、私たち夫婦は3年ぶりに再開されたもう一つの外部の行事に行ってまいりました。O保育園の卒園式です。コロナ禍は来賓を迎えずに開催していたため、私たちがO保育園の卒園式に参加するのは初めてのことでした。2022年度は28人の子どもたちが卒園しました。

 

前日まで雨が降っていたので当日の天気が心配でしたが、曇りではあったものの雨は降らずにホッとしました。園庭に入るとすでに保護者の皆さんが集まっています。私たち夫婦も先生たちに案内されて会場に入りました。しばらくすると在園児の代表である4歳児さんたちが、とても緊張した顔で会場に入ってきました。そのあとみんなの拍手に迎えられて、28人の卒園児さんたちがさっき入ってきた4歳児さんたちよりさらに緊張した顔で入ってきました。これから戦いにでも行くかのような深刻な表情です。

 

讃美歌を歌い、証書がひとりひとりに手渡され、みんな元気に返事をして前に出て受け取り、いよいよクライマックスともいえる卒園児さんたちが歌うお別れの歌です。個人的には初めて聞いた歌でしたが卒園式の定番なのでしょう。前奏が始まるやいなや、一人の男の子が手で目の周りを拭い始めました。その姿を見ていたのか、斜め向かいの女の子も小さな目からも大粒のしずくのような涙を流しました。その子は何度も何度も袖で両目を拭っています。歌がサビの部分に入ると、すでに半分以上の子どもたちが静かに涙を流しながら歌っているのが見えました。私は驚きました。まだ5歳なのに卒園という出来事が涙を流すほど寂しいものであるということを理解していて、それを感情として表現することができるということが新鮮な衝撃だったのです。恥ずかしながら子どもたちについて全く知らなかったということが分かりました。最長6年間という長い年月を共に過ごした友達や先生たちとのお別れは、ある意味、人生すべての時間を過ごした家のような存在とのお別れかもしれません。そう思うと寂しくなるのは当たり前かもしれませんね。それでも私が子どもだった時と比べると感受性が本当に豊かだなあとしみじみ感じて、もらい泣きしそうになりました。

 

すべての卒園式のプログラムが終わると、園庭には在園児全員と先生たち、そしてKほーむのお友達によって花道が作られていました。その中を卒園児さんは1人ずつ、お母さんやお父さんと手をつないで少し緊張しつつも期待と喜びに満ちた笑顔でゆっくり歩いていきます。満面の笑みが浮かぶのを見て私もうれしくなり安心しました。今回卒園した子どもたちは、昨年のクリスマスシーズンに私たちの教会に来て共に礼拝をおささげした子どもたちです。ですから私たちにとって、とても特別な時間でした。この中の一人でも教会でのクリスマス礼拝を覚えていてほしいなと思いながら、折り紙で作った花びらを彼らの歩む道に舞い散らしました。卒園おめでとう! これからも神様がいつも君たちと共におられることを忘れないでね!

 

幼な子でさえも、その行いによって自らを示し、そのすることの清いか正しいかを現す。聞く耳と、見る目とは、ともに主が造られたものである。(箴言20:11~12、口語訳)

 

在主 林 尚俊

 

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