2023年4月23日

 

愛する皆さま

主の御名を心よりほめたたえます。

 

突然ですが、皆さんは、映画がお好きですか。私は映画監督を目指して映画学校を目指したこともあり牧師になる前は映画関係の仕事をしていたほど映画が大好きです。妻との初デートも映画でした。結婚後も映画館デートをよくしましたが、この4年間はコロナの影響で映画館に行くことはありませんでした。つい最近やっと『アバター2』を観に映画館に行き、久しぶりにワクワクしました。

 

今まで数えきれないほど多くの映画を観てきましたが、中でも大好きな映画は『ライフ・イズ・ビューティフル』や『ニュー・シネマ・パラダイス』で有名なイタリアの映画です。実は『ニュー・シネマ・パラダイス』という映画に出会い、映画の仕事をしたいと思うようになったのです。ロベルト・ベニーニと言う天才監督が演出と主演をした『ライフ・イズ・ビューティフル』は、私の一番のお気に入りです。

 

この二つの映画はとても有名なので、すでにご覧になった方もいらっしゃるでしょう。ですから今日は皆さんに別のイタリア映画を紹介したいと思います。それは『イル・ポスティーノ』という映画です。タイトルの『イル・ポスティーノ』は、郵便配達員という意味です。純粋で素朴な郵便配達員の青年マリオが、イタリアの小さな島カプリ島で暮らす中、チリから亡命してきた有名詩人パブロ・ネルーダに手紙やハガキを届けるようになります。マリオはパブロとの出会いを通して詩の美しさに魅了され、詩を書くことに情熱を抱きはじめます。そして詩を通して自分自身や周りの世界を理解するようになっていくのです。恋にも目覚めたマリオは今までとは異なる方法で自分自身と向き合い成長していきます。美しい景色や音楽、詩と愛についての物語が、俳優たちの優れた演技で描かれる名作です。

 

特にマリオとパブロの会話で記憶に残っているシーンがあります。ある日パブロのところに来たマリオが「先生、僕は今、恋に落ちました」と言うのです。するとパブロは「そうか。恋という病気を治す薬もあるけど必要か」と聞きます。それに対してマリオは「いいえ、癒されたくありません。ずっと痛いままでいたいのです」と答えるのです。純粋なマリオの心がそのまま表れているこのシーンが大好きです。もう一つマリオの名セリフがあります。「僕にとってこの島が美しい理由は、ここに僕の愛するベアトリーチェがいるから」というセリフです。私はこの場面を思うとき、イエス様のことを思い浮かべます。イエス様が十字架につけられて死ぬほどこの世を愛されたのは、そこにご自分の御国の民、私たちがいるから…。もう一度、この美しい映画を観たいと思います。

 

しかし、わたしたちがまだ罪人であったとき、キリストがわたしたちのために死んでくださったことにより、神はわたしたちに対する愛を示されました。

(ローマの信徒への手紙5:8)

 

在主

林 尚俊

 

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