2023年5月21日

愛する皆さま

主の御名を心よりほめたたえます。

 

前にもお話したことがありますが、私は昔、大工のバイトをしたことがあります。正確に言いますと、正式な大工ではなく大工さんの手元です。しかし一年以上やって、時には大事な作業も任せられたりしたので、「大工だった」と言いまくっています。

 

というわけで今も私は、いわゆるDIYにはかなりの自信を持っています。そんな私が牧師館に入居した初日から一つ作りたいものがありました。部屋の外側の玄関ドアの横にある小さな物置の中に入れる棚です。そのままだと縦に細長い空間で、効率よく物を入れることができません。3段くらいの棚を作って中に入れれば、より使い勝手がよくなりそうなのです。ずっと後回しにしていましたが、ふと気づくと3年以上の年月がたっていました。そこで、いざやろうと思い立ったのです。

 

一度決めるとすぐ行動に移す私は、さっそく物置の内側のサイズを測って手書きで簡単な図面を書きました。そして必要な木材の種類と数を計算し、ホームセンタに向かいました。最初は図面の通りに木材をホームセンタでカットしてもらい現場で組み立てようと思いましたが、コー〇ンにはDIYの作業場を無料で貸してくれるシステムがあり、工具も無料で貸してくれるので、そこで組み立てることにしました。久しぶりの作業でしたがさすが体は覚えていたようで、すべての作業が計画のとおり順調に進みました。

 

あっという間に組み立てが終わった私は、出来上がった棚を車に載せて牧師館に向かい、自慢気に妻を部屋の外に呼び出して作品を披露しました。妻は久しぶりの職人技を見て大喜びです。「すごい! 思ったよりずいぶん早かったね。さすが。もちろんサイズは大丈夫だよね?」私は、「もちろんさ!」と返事をして、物置のドアを開けて完璧に作られたはずの棚を入れようとしました。その瞬間、いやな予感が頭をよぎりました。物置の内側の寸法はしっかりと測ったのですが、ドア枠の幅は計らなかったのです。案の定、棚はドア枠で引っ掛かって中に入りません。慌てて無理やり入れようとする私を見て、妻は「どう見ても無理ね」と厳しい一言を残して、部屋の中に入ってしまいました。

 

どうしよう。どう考えても方法は一つです。全部ばらしてドア枠のサイズに合わせて木材を切り直し、また組み立て直すしかないのです。結局、倍以上の時間がかかってしまいました。いつものことです。落ち着いて丁寧にやればいいのに、早く完成したいという気持ちが先走ってしまい、妥協してしまったのです。無事に物置に収まった棚を見ながら疲労感に襲われた私は深く反省しましたが、落ち込んだりはしませんでした。なぜならそんな不器用な私でも神様は用いてくださることを強く信じているからです。

 

ところで、わたしたちは、このような宝を土の器に納めています。この並外れて偉大な力が神のものであって、わたしたちから出たものでないことが明らかになるために。

(コリントの信徒への手紙二 4:7)

 

在主

林 尚俊

 

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