2024年02月11日

愛する皆さま

主の御名を心よりほめたたえます。

 

私たちはバンクーバーアイランドというカナダの最西端に位置する大きな島にある州都ビクトリアに住んでいたことがあります。カナダと言いますと冬には雪がたくさん降る雪国を想像される方が多いと思いますが、カナダ西海岸は海洋性気候の影響でそこまで寒くはなりません。バンクーバーアイランドは特に暖かい所です。私たちがいた時も、冬の間、1回くらいしか雪を見たことがなく、それも珍しいことだったそうです。ちょうど日本の関西地方と同じくらいの気候です。そのため多くのカナダ人が引退後に移住する地域でもあります。そのせいか都市全体の雰囲気はビジネスや商業などでせわしないというより、とてものんびりしている印象です。

 

そのためかどうか、町の中にはとても多くのワンちゃんがいました。特に大型犬を飼っている比率が日本より圧倒的に高い気がします。そしてペットのためのインフラやペットに対する人々の認識がとても良く整えられていてペットを飼うのに実に適した町です。その例を1つ挙げますと、ドッグ・フレンドリー・ビーチという犬のための浜辺があります。そこでは犬を自由に泳がせることもできるし、リードなしに自由に走らせることができるのです。そこに行くと人より大きいワンちゃんがリードなしに走りまわっています。もちろん子供たちもたくさんいたので、外国人である私たちから見ると本当にびっくりする光景でした。子供が襲われることはないかと、少しドキドキしながら歩いた覚えがあります。

 

最初はそこがドッグ・フレンドリー・ビーチであるとは知らず、ただ夕日の綺麗な浜辺だったので、夕日を背景に写真でも撮ろうと思い歩いていたのです。そしてものすごく大きくて怖そうなワンちゃんが人々の間を自由に走りまわる光景を見たのです。心の中で「この国にもルールを守らない人々がいるんだな」と思い腹が立ってきました。しかし少し進むと、その辺にいるほぼすべてのワンちゃんが自由に走りまわっています。それを見て何かが違うと気づきました。それからやっと看板が目に入り、そこがドッグ・フレンドリー・ビーチであると知ったのです。何も知らずに人を判断してしまった自分が、ものすごく恥ずかしくなったのを覚えています。

 

このように私たちは日常の中で、先入観を持って物事を判断する場合がよくあると思います。違う言葉で言うと、偏見や思い込みを持っているのです。もし神様が、私たちに対する偏見や思い込みを持っていたら私たちはどうなっただろうと思うと、恐ろしくなります。でもイエス様には私たちに対する偏見や思い込みは全くなかったので、本当にホッとしています。主よ、感謝します。

 

イエスはこれを聞いて言われた。「医者を必要とするのは、丈夫な人ではなく病人である。わたしが来たのは、正しい人を招くためではなく、罪人を招くためである。」

 (マルコ2:17)  

 

在主

林 尚俊

 

牧師室より トップ