2024年2月25日

愛する皆さま

主の御名を心よりほめたたえます。

 

最近、大阪湾にクジラが迷い込んだというニュースを見ました。たしか昨年も同じような時期に、大阪湾に迷い込んだクジラの話が話題になりましたが、その時はクジラが死んでしまいました。ですから今年こそ助かってほしいと、固唾をのみながら毎日ニュースを見ていましたが、結局、今年も死んでしまいました。私は個人的にイルカやクジラが好きなので「なぜクジラは大阪湾に迷い込んできたのだろう。どうにかして助ける方法はなかったのか」など、いろいろとつぶやきながらニュースを見守っていましたが、残念な結果になりました。

 

ちなみに昨年死んだクジラも、今年死んだクジラもマッコウクジラという種類だそうです。マッコウクジラは、私たちが知っている限り、歯のある地球上のすべての動物の中で最も大きな生き物だそうです。最も大きな動物はシロナガスクジラですが、この種類には歯がありません。巨大な頭部と形状が特徴的で、おそらく旧約聖書のヨナ書に登場してヨナを飲み込んだ「巨大な魚」がマッコウクジラかシロナガスクジラであると考えられています。そしてマッコウクジラを含むほとんどのクジラは、あまり攻撃性がないと言われています。巨大な体を持っていますが、肉眼ではほとんど見えないほど小さなプランクトンや小魚が主食だそうです。そのため海の上で仕事をしている船乗りや漁師たちはクジラのことを「体はデカいが、優しいお友達」と認識しているそうです。実際に海で困っている人を助けたり、捕食動物に襲われている小さな動物を助けたりする場合もあるそうです。また繁殖期や子育ての時期以外は、人間に対する警戒心もほとんどないそうです。しかも好奇心旺盛で、大きな船が現れると近くまで寄ってきて遊ぼうと誘う場合もあるそうです。

 

クジラは私たち人間にとっても、またこの地球にとっても大変有益な存在だそうです。クジラが深海と海面を行き来しながら海水を上下に混ぜてくれることで、深海の酸素の濃度バランスが整えられ、地球の二酸化炭素の量を減らす効果があるそうです。大型の大人の雄のクジラが年間で減らしている二酸化炭素量は、なんとアマゾンのジャングルにある巨大な木1000本が年間で減らしている量とほぼ同じそうです。すごくありませんか。それだけではありません。クジラは死んだ後も地球のために大きな貢献をしているそうです。死んだクジラが深海に沈むと、深海魚や生物の餌になります。それによって良い生態系の循環が生まれるのです。さらに最近のニュースによると、今回死んだクジラは博物館が受け取り学術的な標本になるそうです。つまり子どもたちの学習の役に立つという、私たちにとって至れり尽くせりの存在なのです。

 

私はこの話を書きながら、最後の最後まで私たちのために十字架の上で肉を裂き、また血を流してくださったイエス・キリストのことを思い出しました。私たちの想像をはるかに超える大いなる神ご自身が、余すことなく私たちにご自分のすべてを下さったことを改めて示されたのです。主よ、心から感謝します。

 

はっきり言っておく。一粒の麦は、地に落ちて死ななければ、一粒のままである。だが、死ねば、多くの実を結ぶ。

(ヨハネ12:24)  

 

在主

林 尚俊

 

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