2024年06月02日

愛する皆さま

主の御名を心よりほめたたえます。

 

いつかお話をしたことがあると思いますが、私は一応ユーチューバー(YouTubeというオンライン動画共有プラットフォームに動画を作って載せる人)です。もちろん個人的な動画ではありません。森小路教会の礼拝と祈祷会の映像を毎週載せるだけですが、そういう意味ではれっきとしたユーチューバーです。そのため時々、人の動画を見ながら参考にしたりします。時には夢中になってしまい、気づくと何十分も過ぎてしまうこともあります。

 

ある日、一つの動画のタイトルが目を引きました。韓国人が作った動画ですが、韓国語で「日本入国」というタイトルでした。いわゆる旅系の動画で、タイトル通り韓国人の青年が、ほぼ無計画で3か月間、バイクで九州から北海道まで日本を縦断するという内容です。思わずクリックしましたが、素人が作ったとは思えないほどの感覚的な映像と、まるでテレビのドキュメンタリー番組のような構成で、つい見入ってしまいました。彼が話すナレーションの声と内容、そして物事に対する彼の視点と考え方がとても繊細で優しかったので、見ている人の心をホッとさせました。しかも彼は日本に来るのが初めてですが、旅路での思わぬ出会いやアクシデントに対する感想などを、素人の目線で、できるだけありのまま、淡々と紹介しています。よく見るとまだ旅の途中であることが分かりました。すべての旅が終わって帰国してから動画をあげているのではなく、旅をしながら動画を編集してあげているようです。私が動画を見た時、彼は日本のどこかを旅していて、まだ西日本にいるということが分かりました。

 

その事実を知った私は、なぜか不思議にこの青年に会いたい気持ちになりました。もし彼が大阪に来たら、ご飯でも一緒に食べたいなあと思ったのです。実現できるかどうか分かりませんが、声だけでもかけてみようと思い、とにかく個人的にメッセージを送ってみました。すると彼から「是非お会いしたい」という返事が来たのです。そして数日後、大阪で会うことになりました。妻と二人で彼がその日泊まる宿に行き、近くで夕食を食べることにしました。こんなふうに誰かに会うなど、初めてのことです。

 

もちろん彼は私がどういう人かも知りません。私が牧師だとは、会ってから話そうと思っていたからです。実際に会ってそう明かすと、彼は一瞬動揺したかのように見えましたが、そんなに抵抗はなかったようです。私たちは彼の日本縦断の武勇伝を聞きながら、美味しく夕食を頂きました。しかしふと話の途中で彼が真顔になりました。そして「実は僕の母は牧師なんです。僕は20歳までは教会に出席していましたが、今は教会から離れています」と白状(?)するではないですか。私たちはもちろんびっくりしました。実に不思議な出会いです。彼はこのような不思議な出会いは神様の導きであると感じたようです。私は彼がこの旅の間、神様のことをもう一度思い出してほしいなと思いました。不思議なタイミングで神様が、そのために私たちを出会わせてくださったと確信しています。神様のなさることは実に不思議です。

 

神は計り難く大きな業を

数知れぬ不思議な業を成し遂げられる。

(ヨブ記9:10)

 

在主

林 尚俊

 

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