2024年07月07日

愛する皆さま

主の御名を心よりほめたたえます。

 

先週の聖日の礼拝後、西部連合長老会の仲間の教会であるG教会の伝道師就任式に行ってまいりました。皆さんもご存じのように約1年半、牧師を欠いて礼拝を守ってきたG教会に、いよいよ今年T神学大学を卒業した伝道師が赴任したのです。MT長老と私はOMS教会のO長老と合流して流星号で向かいました。教会に到着すると、幸い雨は降っていませんでしたが湿気でじめじめとした梅雨空の下、一生懸命に挨拶をしてるH伝道師の姿が見えました。H伝道師は笑顔でしたがとても緊張してるようでした。H伝道師のG教会における神様の導きに期待し祈りつつ、私は自分が伝道師だった時の忘れられないエピソードをひとつ思い出しました。

 

私は韓国で神学の勉強を終えてからT神学大学院に入ったので、他の神学生とは違い大学院入学時、すでに伝道師でした。ですから聖日に伝道師として奉仕する教会を自分で探さないといけません。そこでまだ韓国に住んでいた時、東京にある韓国系の教会で面接をするため日本に来た時の話です。面接とは言いますが、その教会で聖日の礼拝に出席し主任牧師や教会の信徒の皆さんに顔を見せるのが目的です。前日に日本に到着した私は、当日の朝、少し早めにホテルをチェックアウトし、スーツケースを持って教会に向かいました。しかし荷物を持って移動するのは不便ですから駅のロッカーに荷物を預けることにしました。一番下の大きなロッカーに入れるためにしゃがんだ瞬間、私のズボンからいやな音が…。そうです。股の部分が綺麗に真っ二つに破けたのです。瞬間、私の頭は真っ白に、顔は真っ青になりました。「どうしよう。スーツは一着しかない。このまま教会に行かずにお腹が痛いので行けませんと言おうか。それとも交通事故に遭って今病院ですと言って逃げようか」など、ありとあらゆる思いが頭の中に浮かびました。とりあえず韓国にいる妻に報告すると、今すぐ近くの洋服屋さんに行って新しいスーツを買うように言われました。ちょうど新宿駅にいた私はやっと冷静になり近くの洋服屋さんに向かいました。もちろん上のジャケットを脱いでお尻を隠すことは忘れません。

 

店が開く時間は午前10時、礼拝の時間は10時半、新宿から教会まではタクシーで約10分。一分一秒も無駄にできません。とにかく店の前で待つことにしました。そして藁にもすがる思いでガラス張りのお店の中をずっと見つめていました。すると開店準備をしていた店員さんと目が合いました。神様が下さった絶好のチャンスです。緊迫した状況を目で一生懸命に伝えました。すると奇跡が起こったのです。すべての状況を理解したかのように店員さんが私のところに来てガラス越しに「どうしましたか」と聞くではありませんか。私はチャンスを逃すまいと、同じようにガラス越しにお尻を向けて自分の後ろ姿を見せました。店員さんは私の緊急事態を察知し、すぐに店を開けてくれました。色やデザインを選ぶ暇もありません。すさまじいスピードで新しいスーツを選び、裾もテープで仮止めしました。購入から直しまで5分もかからなかったと思います。それからタクシーに乗って教会に向かいました。礼拝時間に遅れることなく無事に面接も済み、次の春から奉仕をすることになったのです。とても緊張した1日でした。

 

あなたの道を主にまかせよ。

信頼せよ、主は計らい

あなたの正しさを光のように

あなたのための裁きを

真昼の光のように輝かせてくださる。

(詩編37:5~6)

 

在主

林 尚俊

 

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