2024年11月03日

愛する皆さま

主の御名を心よりほめたたえます。

例年より大幅に遅れていますが秋が少しずつ深まってきています。秋の訪れを香りで知らせてくれるキンモクセイの甘い香りも町の中に満ちてきました。

 

このような秋の訪れと共に、先日あるとても大事な行事に出席することになりました。O保育園の秋の運動会です。個人的には初めての出席なので、まるで自分が参加するかのようにドキドキです。朝起きてさっそく天気を調べると曇りで、残念ながら透き通った秋晴れではありません。でも子どもたちにとっては強い日差しの下で走るよりはかえっていいでしょう。

 

予定より少し早く会場に着きましたが、すでに園児たちは集合していました。3歳から5歳までの園児たちは、緑、黄色、青、ピンク、そして紫の帽子をかぶり運動着姿でした。中に一人、とても目立っていた子がいました。おそらく3歳児だと思いますが、どう見ても本人の体より二回りは大きな運動着を着ていたのです。ズボンが地面に引きずらないように最大限ハイウエストにしてあります。しかしオリンピックに参加する前のアスリートように真剣な眼差しで先生の最終的な指示を聞いていました。国家代表顔負けです。また観客席は家族で大賑わいです。ママとパパ、おじいちゃんとおばあちゃん、兄弟たちで構成された即興の応援団もいます。そしてまだ始まってもいないのに気の早いおじいちゃんはスマホを片手に大事な孫の姿を追っています。先生方はすでに中腰で静かに走りまわっていました。

 

いよいよ選手入場。行進曲と共に選手たちがグラウンドに入ってきました。会場は大きな拍手で大いに盛り上がります。3歳児のかけっこから始まった運動会はクライマックスの玉入れが終わり、いよいよフィナーレで運動会の花であるリレーとなりました。リレーといえば皆さんもご存じのようにすべての園児が参加する競技で、卒園を迎える年長さんたちにとっては最後の運動会の思い出です。私は全く競技に関係のない人ですが、一つ心配がありました。なぜなら園児の中で車いすに乗っている子がいたからです。その子は残念ながら一人で歩くこともできないので、どう考えてもリレーは無理だろうと勝手に思い込んでいました。

 

しかしそのあと目の前に広がった光景を見て、とても恥ずかしくなりました。なんと車いすの園児もリレーにちゃんと参加したのです。しかも一番手でした。スタートから5歩くらいの距離を先生の助けを得ながら進み、堂々とスタートを切りました。その子からバトンをもらった二番手の子は車いすの子の分まで長い距離を走りましたが、このリレーはみんなが納得する公平な競技でした。誰一人不思議に思わず、当たり前に車いすの子と他のお友達が一つになって運動会を楽しんでいました。園児の中には外国系の子どもたちも何人かいましたが、当たり前に国籍や肌の色は関係なく、みんなで協力して走り、みんなで喜びました。その光景を見た私の目がウルウルしてきました。この子たちにとってだけでなく、私個人にとっても忘れられない運動会になりました。運動場の上にかかっていた万国旗が、特に大きくて鮮明に見えました。

 

わたしたちは神のために力を合わせて働く者であり、あなたがたは神の畑、神の建物なのです。(コリント一3:9)  

 

在主

林 尚俊

 

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