2024年12月15日

愛する皆さま

主の御名を心よりほめたたえます。

 

嗅覚過敏と言う言葉を聞いたことがありますか。匂いがある物に対して過敏な状態を示すことを指します。もちろん人は誰でもいい匂いが好きで、悪い匂いは嫌いです。でも嗅覚過敏症の人はいい香りは好きでよくない匂いは嫌いというわけではありません。一般的に人が好きと言うような匂いが嫌いだったりする場合もあるのです。例えば香水の香りや柔軟剤、時には花の香りが苦手な人も大勢います。個人差はあるものの、意外と多くの人がある程度の嗅覚過敏症を持っていると言われています。

 

実は私も軽度の嗅覚過敏症かもしれません。もちろん医者の正式な診断を受けたわけではありませんが、特定の香水や洗剤、あるいは花の香りがとても苦手なのです。例えばバラの花そのものの香りは大丈夫ですが、バラの花の香りがする香水を嗅ぐとすぐに頭が痛くなります。またユリの香りが苦手で、長い時間ユリのある部屋の中にいますと気持ちが悪くなります。これについては牧師として大きなリスクでもあると思います。なぜなら教会での葬儀ではユリが飾られることが多いため葬儀式が終わったあとが大変です。実はユリの花が苦手なのは私だけでなく教会のMT長老も同じです。MT長老はご自分の棺の中にはユリの花を入れないでほしいと本気でおっしゃっていました。私もまったく同じ気持ちです。

 

いろいろと調べた結果、嗅覚過敏症になる原因はいろいろあるようです。先天的な原因もあり、あとからのアクシデントなのによるトラウマが原因の場合もあるようです。また症状が重い場合は日常生活に支障が生じるためきちんとした医学的治療が必要な場合もあるそうですが、幸い私の場合はそこまで敏感ではないので今のところ日常生活に問題はありません。

 

私の場合は原因はよく分かりませんが、一つ考えられるのは嗅覚が人よりするどいのか人一倍匂いに敏感だからかもしれません。時々妻に「犬なの?」と言われるほど、誰も気づかない時に一人だけ匂いを感じる場合もあるのです。例えば先週、今市商店街で小さな火事がありました。その日は牧師館の玄関から出た瞬間、すぐに空気の匂いで火事だと感じたのです。商店街を通って教会に向かうと、案の定、牧師館と教会の間にある店の二階で小さな火事があったようです。消防車が止まっていましたが火事そのものは大したものではなったようで、すでに消火されていました。それでも私は何百メートルも離れたところで焦げ臭い匂いを探知し火事だと分かったので、自分でもびっくりしたくらいです。

 

このように匂いに敏感なため、時にはつらい場合もありますが、これも自分だと思って慣れるしかないと思っています。ただ私が気になるのは自分がどのような匂いを放っているかです。もちろん加齢臭や体臭の話ではなく、私がキリスト者としてキリストの香りを放っているかどうかです。多くの人が私を通してキリストの香りを嗅ぐことができればなと思っています。

 

救いの道をたどる者にとっても、滅びの道をたどる者にとっても、わたしたちはキリストによって神に献げられる良い香りです。

(コリントの信徒への手紙二 2:15)  

 

在主

林 尚俊

 

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