2024年12月29日

愛する皆さま

主の御名を心よりほめたたえます。

 

アメリカのニューヨーク・ポスト紙によるとグリーンランドのある新興企業が10万年以上前の氷河の氷を輸送し、ドバイの高級バーで提供されるカクテルに使用するというサービスを開始ししたそうです。その会社は今年2024年に創業したアークティック・アイス社で、中東の巨大都市から7600キロ以上離れたグリーンランドの氷山で採取した氷を世界で最も古く純粋な氷として販売しているとのことでした。

 

記事によるとこの件についてはさまざまな意見があり、中には猛烈に非難している人もいるようです。例えば環境団体からは、7600キロ以上離れた中東の大都市まで化石燃料を使った船で運ぶことで、環境に悪影響を及ぼすのではないかと懸念の声が上がっています。確かに汚れていない太古の氷を得るために空気を汚すという矛盾は残念なことです。またその氷が北極で出来たからと言って本当に10万年以上前の氷だという保証はどこにもないので、一歩間違えると詐欺に発展する可能性はいくらでもあるでしょう。もちろん彼らは自分たちが見つけた氷山の塊を自社の研究所に運んで徹底的に調べているそうです。そして本当に微生物やバクテリアがいないことが確認された物だけを商品として出荷しているそうです。このような賛否両論はおいておいて、単純にビジネスの面から考えると、これはある意味、素晴らしい発想だと思いました。これに関連するビジネス市場の規模は2022年には50億ドル(約7500億円)以上に達したと言われていますので、大きなビジネスチャンスでしょう。実際に普通の氷よりかなり高く販売されているようですが、現地のドバイでは品薄で悩んでいるそうです。

 

このように一見、平凡に見える物や事柄に、多くの人が魅了される理由について考えてみました。私なりの結論はストーリー性です。同じ物であっても、そこにその物ならではの固有のストーリーが加わると価値が大きく変わることが、この世には多く存在しています。例えばメジャーリーグの大谷選手の50号ホームランのボールは手数料込みで439万2000ドル、日本円にして約6億6300万円で落札されました。 ホームランボールとしては史上最高額だったそうです。今メジャーリーグでの公式球として使われているボールは、日本円で2640円ですから、その価値は約25万倍以上です。大谷選手というストーリーが平凡なボールに大きな価値を付与したわけです。

 

今年もあとわずかです。皆様の一年はどのような一年でしたか。もちろん人には言えないほどつらいことや悲しいことがあったかもしれません。年の初めに計画していた多くのことが、もしかしたらうまくいかなかったかもしれません。しかしそれらのことを神様の目線で見ると、ストーリーの一つ一つが私たちの歩みにおいて大きな価値のあることだったのではないでしょうか。そう思うと今年も私たちは神様の恵みの中で導かれたことに間違いないでしょう。皆さん、2024年もありがとうございました。そして恵まれ様でした。

 

天の国は次のようにたとえられる。畑に宝が隠されている。見つけた人は、そのまま隠しておき、喜びながら帰り、持ち物をすっかり売り払って、その畑を買う。(マタイ13:44)  

 

在主

林 尚俊

 

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